酒税改正2026|10月からビール系が一本化、飲食店の戦い方とPR術

デリシャスノーツの長屋です。
10月1日、酒税が変わりました。改正前日の夜、テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』の特集を見ながら、私は「これは飲食店にとって、久しぶりに“攻めどき”が来たな」と感じていました。
お客様の頭の中には、もう「ビールが安くなったらしい」という情報が入っています。あなたのお店は、その期待にどう応えますか。今日は、居酒屋・バル・焼鳥・バーのオーナーさんに向けて、私なりの戦い方とプロモーションの方法をお伝えします。

10月1日、何が変わったのか
ポイントは「ビール系の税額が一本化された」ことです。財務省の資料をもとに、350mlあたりの酒税を整理するとこうなります。
| 種類 | 改正前 | 2026年10月〜 | 差 |
|---|---|---|---|
| ビール | 63.35円 | 54.25円 | 9.10円 減税 |
| 発泡酒・第3のビール | 46.99円 | 54.25円 | 7.26円 増税 |
| 缶チューハイなど | 28円 | 35円 | 7円 増税 |
| ノンアルコール | 0円 | 0円 | 変わらず |
※発泡酒は麦芽比率25%未満のもの。出典:財務省「酒税に関する資料」、国税庁「酒税率一覧表(令和8年10月1日〜)」

これまで「安さ」で選ばれてきた発泡酒や第3のビールとの税の差がなくなり、ビールが相対的に買いやすくなりました。
番組によると、2025年のビール類の販売数量は、発泡酒・第3のビールが約58%、ビールが約42%。まだ“安いほう”が多数派です。

報道では、サントリー「金麦」シリーズが麦芽比率を50%以上に引き上げ、「ビール」に区分を変えたことも伝えられています。番組の解説では、ビール比率の高いメーカーほど追い風になる一方、小売のプライベートブランドが価格競争を仕掛ける可能性がある、とのこと。「ビール回帰・プレミアム志向」と「とにかく安く」の二極化が進む、という見立てでした。
飲食店への影響は「お客様の期待」と「仕入れ値」のズレ
まず誤解のないようにお伝えします。税額が下がっても、仕入れ値がいくら動くかはメーカーや酒販店さんの価格改定次第です。
計算上、ビールの酒税は1リットルあたり26円下がります。19リットルの樽なら約494円。とはいえ、物流費や原材料費の上昇分と相殺されることもあり、新しい卸値は取引先ごとに違います。業務用の樽生・瓶ビール、樽詰めのサワーやハイボール、缶チューハイ。それぞれ、10月以降の新しい価格表を必ず取り寄せて確認してください。
一方で、お客様は「ビールが安くなった」とニュースで見ています。報道によると、スーパーではアサヒ「スーパードライ」の値下げや、イオン「トップバリュ」が173円から162円へ、ドン・キホーテのPBが164円から153円へ、といった動きもありました。
家で飲むビールが安くなるほど、「なのにお店の生ビールは変わらないの?」という声は出やすくなります。ここを放っておくと、静かにお客様の満足度が削られていきます。
生ビールで選ばれる店になる、7つの戦い方

私たちはこれまで累計1,000店舗以上の集客をお手伝いしてきましたが、価格が話題になる時期ほど「何を、どう伝えたか」で差がつきます。具体策を7つ挙げます。
1. 生ビールの「価値」を言葉にする
樽生であること、サーバーを毎日洗浄していること、グラスを冷やしていること、泡の比率にこだわっていること。当たり前にやっていることこそ、メニューに一行書いてください。「安くなったビール」ではなく「お店でしか飲めない生」に変わります。
そして、もうひとつ。これを機に、スタッフ全員でお店で取り扱っているビールの歴史と想いを学んでください。
どの会社が、どんな想いでそのビールを生み出し、何を守り続けてきたのか。それを知っているだけで、生ビールを出すときの一言が変わります。「このビール、実は明治の頃から続いている銘柄なんですよ」。そんな一言を添えて出す一杯は、同じ値段でも記憶に残る一杯になります。
価格は他店にすぐ真似されます。でも、スタッフが語れる「物語」は真似できません。お客様に一言添えて生ビールを提供する。これも大事な付加価値です。
学びの教材として、当社ブログでビール大手5社の歴史と全銘柄をまとめています。朝礼や開店前の10分で、まずは自分のお店のビールの1本から読んでみてください。





2. 「とりあえず生」を設計し直す
ビール回帰の流れは、1杯目を取りにいく好機です。仕入れ値が下がったなら、1杯目だけの特別価格や、ハーフサイズの追加など、「頼みやすさ」に還元してみてください。
3. 飲み放題の中身を点検する
第3のビールや発泡酒を飲み放題に入れていたお店は、税の差がなくなった今、ビールに切り替えても原価がほぼ変わらない可能性があります。「生ビール飲み放題」と書けるかどうかで、コースの見え方は大きく変わります。
4. サワー・ハイボールは自家製で差別化
缶チューハイなどは増税です。一方、度数の高い焼酎やウイスキーの税率は今回変わっていません。生搾りや自家製シロップのサワー、こだわりのハイボールは、原価の面でも話題の面でも強い一手です。
5. ノンアル・ローアルを主役級に
ノンアルコールは税0円のままです。ノンアルビールやモクテルを2〜3種類そろえるだけで、お酒を控えたい方もグループで来店しやすくなります。
6. 値上げも値下げも「理由」とセットで伝える
サワーの価格を上げるなら「10月の酒税改正に伴い」と一言添える。生ビールを下げるなら、「減税分をお客様へ」と書く。理由があれば、お客様は納得してくださいます。
7. メニューの表記を見直す
区分が変わった銘柄もあります。メニューの「ビール」「発泡酒」の書き分けが今の商品と合っているか、この機会に確かめてください。
変化を「来店理由」に変えるプロモーション

せっかく打ち手を考えても、伝わらなければないのと同じです。私がおすすめする順番はこうです。
Googleビジネスプロフィールの投稿:「酒税改正」は検索されやすい今の話題です。写真付きで、生ビールの新価格やこだわりを投稿してください。1回で終わらせず、10月中は週1回を目安に続けるのがおすすめです。
ぐるなび・食べログのコース・飲み放題ページ:ここが一番の見落としどころです。飲み放題の内容を変えたら、コース名・説明文・ドリンクメニューの3か所を必ず揃えてください。古い情報が残っていると、当日のトラブルのもとになります。
SNS:注ぐ瞬間の動画は、生ビールの価値がいちばん伝わる素材です。
店頭POP・メニュー:通りがかりの方にも届くよう、入口と卓上の両方に置きます。

告知文の例を3つ置いておきます。お店の言葉に直して使ってください。
10月から、生ビールが○○円になりました。酒税が変わったぶんを、そのままお客様へ。冷えたグラスでお待ちしています。
飲み放題がリニューアル。10月から「樽生ビール」が飲み放題に入りました。乾杯の一杯から、ちゃんとおいしいを。
酒税改正に伴い、一部サワーの価格を見直しました。そのかわり、レモンは毎日店で搾っています。
まとめ ニュースになっている「今」が、伝えどき
今回の改正は、ビールにとっては追い風、缶チューハイには逆風。そして飲食店にとっては、「生ビールのおいしさ」をあらためて語れるチャンスです。
まずは仕入れ先の新しい価格表を確認する。次に、メニューと飲み放題を見直す。そして、Googleビジネスプロフィールとグルメサイトで、変わったことを伝える。この3つを10月のうちにやり切ったお店から、お客様の「次はあそこで乾杯しよう」が生まれていくはずです。
㈱デリシャスノーツでは、飲食店さま向けに、Googleビジネスプロフィール・ぐるなび・食べログの運用や販促のご支援をしています。
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