Claude CodeとCodexはどちらが使いやすい?経営者のAI二刀流

以前、私はこのブログで、Claudeを使って自分専属のAI執事「ジャーヴィス」をMacの中に作った話を書きました。
あれからジャーヴィスは、私の仕事を横で手伝う存在から、会社のさまざまな業務を一緒に動かす相棒へと育っています。予定や連絡を整理し、過去の判断を探し、原稿を書き、必要に応じて専門のAIへ仕事を振り分ける。私が経営者として判断する前の「調べる・並べる・考える」を、かなりのところまで肩代わりしてくれるようになりました。
そして今回、そのジャーヴィスに新しい仕事仲間を迎えました。OpenAIの「Codex」です。
面白いのは、Codexの導入を手伝ってくれたのがClaude Codeだったことです。私はClaude Codeに「CodexをこのMacで使えるようにして」と頼み、ターミナルで動くCodexをインストールしました。さらに、そこからCodexのデスクトップ版アプリを起動し、今ではMacから1クリックで開けるようにしています。
ライバル会社のAIを、今まで使っていたAIに導入してもらう。人間なら少し気まずそうですが、AIは淡々と進めてくれます。
では、Claude CodeとCodexは、結局どちらが使いやすいのでしょうか。
この記事では、機能表を見比べただけの比較ではなく、実際に同じMac、同じ仕事のルール、同じ制作案件で動かしてみた初日の感触をお伝えします。使っている途中で利用枠が残り9%になり、追加クレジットを購入するところまで経験しました。そこまで含めて、経営者がAIを「お試し」ではなく仕事の道具として使うとき、何を考えておくべきかを書きます。
結論:今すぐ使いやすいのはClaude Code、別の仕事場を作りやすいのはCodex
結論から申し上げると、現時点で私がすぐに使いやすいのはClaude Codeです。
ただし、これはClaude CodeがCodexより優れている、という単純な話ではありません。私がこれまでClaude Codeの中でジャーヴィスを育て、仕事のルールや過去の判断、専用の機能を積み重ねてきたからです。
長く一緒に働いてきた秘書と、今日入社した優秀な社員を、初日から同じ基準では比べられません。使い慣れた道具に染み込んだ仕事の癖や判断基準は、性能表には出てこない価値です。
Codexのデスクトップ版は、仕事を案件ごとに分けやすい。Claude Codeが「育ててきた経営の側近」なら、Codexは「集中してものを作る仕事場」です。
私の答えは、どちらか一方を選ぶことではありません。
Claude Codeを母艦にして、Codexを制作工房として使う。そして、画面でファイルや変更点を見渡したい場面ではAntigravityを操縦席として使う。
3つを競争させず、工程ごとに役割を分ける。これが今の私に合う使い方です。
ターミナルのCodexを、Macのアプリとして1クリックで開く
最初に導入したCodexは、ターミナルで命令を入力して使うものでした。ターミナルとは、文字でMacへ指示を出す画面です。慣れている人には速いのですが、経営者全員が毎朝コマンドを覚えて打ちたいわけではありません。
私が今回使った環境では、ターミナルから次のように起動できます。
codex app ~/ai-work
~/ai-workは、AIに作業してもらうためのフォルダ名の例です。ご自身で試す場合は、会社の重要データが無造作に入った場所をいきなり指定せず、まずはAI専用の作業フォルダを作ってください。
デスクトップ版をApplicationsフォルダに入れ、Dockへ登録すれば、ターミナルを開かず1クリックで起動できます。私自身、環境構築はClaude Codeに手伝ってもらいました。コードが書けなくても導入できます。
ターミナルに慣れていない経営者にとって、「黒い画面に毎回コマンドを打つ」のと「アプリのアイコンを押す」のでは、心理的な距離が大きく違います。
AI活用は、性能だけで決まりません。毎朝、迷わず開けること。使うまでの面倒が少ないこと。前回の作業をすぐ続けられること。この小さな違いが、半年後の活用量を大きく変えると私は考えています。
同じ仕事のルールを、2つのAIに読ませてみた
今回、私が最も重視したのは、Claude CodeとCodexに同じ作業フォルダを読ませることでした。
会社の方針、仕事を始める前の確認事項、触ってはいけないデータ、文章を書くときのルール。AIが変わるたびに、これらを一から説明していたら仕事になりません。便利なAIを増やしたつもりが、毎回の説明を増やしてしまっては本末転倒です。
そこで、Claude Codeが読む指示書と、Codexが読むAGENTS.mdをつなぎ、どちらも同じルールを参照できるようにしました。見かけ上は二つの指示書でも、元になる内容は一つにしておく考え方です。
これで、「何を確認してから始めるか」「何を外に出さないか」「既存の変更を消さない」といった会社の基本方針を共有できます。
ただし、同じ指示書を読めば、まったく同じAIになるわけではありません。Claude Codeで育ててきた記憶や専用機能が、そのままCodexに常時同期されるわけではないからです。CodexにはClaude Codeから設定などを取り込む機能もありますが、それぞれの道具や得意な進め方には違いがあります。
同じ会社の就業規則を読んだ二人の社員でも、経験や得意分野は違う。それと同じです。共通化するのは会社の原則であり、個性まで消す必要はありません。
Claude Code・Codex・Antigravityは、勝負させずに工程を分ける
私の仕事は、文章を書くだけでも、プログラムを作るだけでもありません。経営判断、顧客対応、資料づくり、ホームページ運用、新しいサービスの試作などが、一日の中で連続して動きます。
だから「どのAIが一番賢いか」より、「どの工程を誰に任せるか」のほうが重要です。現在の役割を整理すると、次のようになります。
| 道具 | 私の中での役割 | 向いている仕事 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| Claude Code | 会社の記憶と継続業務の母艦 | 過去の経緯、定例業務、文章、複数業務の整理 | 長く育てた環境ほど、記憶とルールの整備が必要 |
| Codex | 案件別の制作工房 | 実装、画像、検証、修正、別AIとの相互レビュー | 利用枠、クレジット、同時編集の管理が必要 |
| Antigravity | 人間が介入しやすい操縦席 | ファイル、差分、実行結果を画面で見ながら進める作業 | 眺めやすさと、自動で任せる範囲を分ける |
これは固定された序列ではありません。サービスや仕事が変われば、分担も見直します。
Claude Codeは「経営の続き」を任せやすい
私のClaude Codeには、これまでの判断や仕事の流れが蓄積されています。そのため、次のような仕事はClaude Codeに任せるのが自然です。
- 過去の経緯を踏まえた経営判断の整理
- 毎日の予定や連絡事項の確認
- 以前決めたルールを参照する定例業務
- 私の文体や考え方を反映した原稿づくり
- 複数の専門AIを使い分ける仕事
つまり、Claude Codeは「今日の依頼だけ」ではなく、「昨日までの続き」を知っていることに強みがあります。
経営者の仕事には、この連続性が欠かせません。先月決めたことを忘れず、以前の判断との矛盾を指摘してくれる。新しい提案をするときにも、会社がどこへ向かっているかを踏まえて選択肢を出してくれる。私にとっては、ここがジャーヴィスを育ててきた最大の価値です。
判断の理由や、次回も守るルールを残していくと、AIは単発の回答者から、経営の連続性を支える相棒へ変わります。
Codexは「案件ごとの仕事場」を作りやすい
Codexのデスクトップ版アプリを触って感じた魅力は、仕事を案件ごとに分けて眺めやすいことでした。
記事、プログラム、画像を別の案件として進め、どのファイルを見て、何を変更し、どこまで検証したかを追いやすいのです。
さらに、Gitの「Worktree」という仕組みを使えば、元の作業場所を守りながら、別の作業コピーで仕事を進められます。Gitとは、ファイルの変更履歴を残す仕組みです。Worktreeは、その同じ履歴を使いながら、別室の作業机を増やす機能だと考えると分かりやすいでしょう。
元の仕事場を散らかさず、新機能や修正案を試せます。「本番の帳簿を変える前に、コピーで試す」と考えると分かりやすいでしょう。
私の場合、Codex側では現在、GPT-5.6 Solを推論強度Highで使っています。OpenAIはGPT-5.6 Solを複雑な専門業務向けのモデルとして案内しています。私が初日に触った限りでは、複数のファイルを確認しながら、実装、検証、見直しまでを一つの案件として進める仕事に期待しています。
Codexの成果をClaude Codeに、Claude Codeの方針をCodexに点検させる。この相互レビューも、二つのAIを使う理由です。
ただし、これは使い始めた初日の印象です。これから実際の仕事を重ねれば、役割分担は変わるかもしれません。
Antigravityは、指令室とIDEを使い分ける「操縦席」
私は以前、AIコーディング支援環境のAntigravityについても、このブログで紹介しました。
ここでは過去のモデル名やバージョンをもう一度並べることはしません。サービスは更新されるからです。Googleの現行案内では、Antigravity 2.0は複数のローカルエージェントを並行管理する「指令室」、Antigravity IDEはエディタ、ターミナル、ブラウザを横断して作業し、差分やArtifactsを視覚的に確認する開発環境として整理されています。Artifactsとは、AIが作った計画、変更差分、画面画像、動作記録など、人間が確認するための成果物です。
私が3刀流の中で「操縦席」と呼んでいるのは、主にこのAntigravity IDEの役割です。Claude CodeやCodexにまとまった仕事を任せると、AIは人間が一つずつクリックするより速く、多くのファイルを扱います。これは強みですが、経営者が「いま何が変わろうとしているのか」を画面でつかみたい場面もあります。
そんなとき、変更前後と実行結果を見比べ、必要なら途中で方向を直します。自動運転の車にも、運転席と計器は必要です。複数のローカルエージェントを案件別に束ねる場面では、Antigravity 2.0の指令室が生きます。
3刀流といっても、3つを常に同時起動する必要はありません。
- 会社の過去と今日をつなぐときはClaude Code
- 一つの案件を形にするときはCodex
- 変更点を自分の目で追いながら操作したいときはAntigravity IDE
道具の数を増やすことが目的ではなく、人間が判断しやすい工程を作ることが目的です。
実際に使うと、AIにも「利用枠の管理」が必要になる
今回、Codexでこの記事の原稿、画像、確認作業を進めている途中、5時間単位の利用枠が残り9%になりました。

その後、作業を続けると画面に「You’re out of Codex and Work usage」と表示され、CodexとWorkの利用枠が終了しました。

これは「Codexが使えなかった」という話ではありません。むしろ、実際の仕事で使い込んだからこそ、AIにも稼働枠と予算の管理が必要だと分かった体験です。
人を採用すれば、勤務時間と人件費を考えます。撮影を外注すれば、枚数と追加料金を確認します。クラウドサービスを導入すれば、月額料金と上限を見ます。AIだけを、無制限で費用も発生しない魔法の箱として扱うほうが不自然です。
特に、文章を一度答えてもらうだけではなく、資料を読み、画像を何度か作り、ファイルを直し、動作確認まで任せると、利用量は増えます。そこで必要なのは、怖がって使わないことではなく、どの仕事に高性能なAIを使い、どの仕事を軽い処理へ回すかを決めることです。
私なら、重要な原稿の構成、複数ファイルにまたがる修正、公開前の確認など、やり直しの影響が大きい仕事には十分な推論を使います。一方、単純な表記統一や決まった形式への変換まで、常に最も重い設定で動かす必要はありません。
2,500クレジットを購入して分かった「支払額」と「仕事の原価」の違い
利用枠が終了したため、私はその場で2,500クレジットを購入しました。購入画面では、定価15,500円、10%割引1,550円、本日の支払額13,950円と表示されました。

ここで誤解してはいけないのは、13,950円がこの記事1本の制作費ではないということです。
購入した2,500クレジットは、今後のCodexやWorkの作業にも使える前払い残高です。交通系ICカードへ1万円を入金した日に、最初の電車代を1万円と数えないのと同じです。支払った金額と、その仕事で実際に消費した金額は分けて考えなければなりません。
| 購入クレジット | 2,500 credits |
|---|---|
| 画面上の定価 | 15,500円 |
| 10%割引 | 1,550円 |
| 本日の支払額 | 13,950円 |
| 今回の購入単価 | 1 creditあたり5.58円 |
購入単価は、13,950円を2,500クレジットで割り、1クレジットあたり5.58円です。この単価を持っておくと、作業ごとの概算を考えやすくなります。
今回のアイキャッチ画像4回分は、概算で約100円
この記事のアイキャッチ画像も、Codexの画像生成機能を使って作りました。
OpenAIのGPT Image 2の画像生成料金では、高品質・横長1536×1024の画像出力は、1枚0.165ドルと案内されています。また、Codex/Workのクレジット換算表にあるGPT-Image-2出力750 credits/100万トークンと、高品質の横長画像に必要な出力量を基に概算すると、5,500出力トークン×750÷100万=4.125となり、1枚あたり約4.1クレジットです。
今回購入した単価は1クレジット5.58円ですから、計算は次のようになります。
- 画像1枚:約4.1 credits × 5.58円 = 約23円
- 実際の生成4回:約16.5 credits = 約92円
- 分かりやすく丸めると、画像生成部分は約100円
実際には、最初の背景だけの案、第1案、「本気を見せてください」と頼んだ改良版、正式ロゴを入れた最終版の合計4回を生成しています。
この約100円は、あくまで画像出力部分の概算です。プロンプトとして入力した文章、参照画像を渡して編集する場合の画像入力、原稿の文章生成、調査、ファイル修正、WordPressへの反映など、Codexで行った作業全体の消費は別に発生します。また、料金や換算率は今後変更される可能性があります。
最初の下書きができた時点では、概算約210クレジット・約1,200円相当
では、画像以外も含め、最初の下書きができた時点までにどのくらい使ったのでしょうか。
当日のタスク記録を基に、初稿の作成、調査、別視点での確認、WordPressの下書き反映までのテキスト処理を、GPT-5.6 Solの現行クレジット率で概算すると約194クレジットでした。そこへ画像4回分の約16.5クレジットを加えると、合計は約210クレジットです。
今回の購入単価5.58円を掛けると約1,170円。分かりやすく丸めて、この記事の初稿作成から画像4回、確認、WordPress下書きまでで約1,200円相当です。
| 工程 | 概算消費 |
|---|---|
| 原稿作成・調査・確認・WordPress下書きなどのテキスト処理 | 約194 credits |
| 画像生成4回 | 約16.5 credits |
| 合計 | 約210 credits |
| 購入単価5.58円での換算 | 約1,200円相当 |
もちろん、これは当日の記録と現在の換算率を使った概算であり、会計上の厳密な原価計算ではありません。その後の加筆に使った分も別です。この記事を作るために13,950円を全額使ったわけでもありません。残りのクレジットは、今後の仕事に使えます。
それでも、経営者としては計算の物差しを持つことが重要です。「AIだからほぼ無料」と思い込むのでも、「13,950円を払ったからこの記事は高い」と考えるのでもない。購入残高と実際の消費を分け、何にいくら使ったかを概算できる状態にする。これで初めて、AIを継続的な業務投資として判断できます。
アイキャッチ画像で、Codexの「本気」を比べてみた
最初に私が頼んだのは、「Claude CodeとCodexを、競争ではなく二人の相棒として見せてほしい」という内容です。すると、タイトルの日本語も崩さず、2台のコンピューターを金色の光でつないだ、きれいな画像が返ってきました。


十分きれいです。しかし、私は画面を見て、もう一歩いけると思いました。そこで、こう伝えました。
「整っている段階ではなく、本気を見せてください」
最終案では、左側にClaude Codeが積み重ねてきた記憶や日々の仕事を、温かい金色の流れとして表現しています。右側には、Codexが案件を分け、設計し、組み上げていく力を、青い分岐やモジュールとして描いています。そして、その二つが中央で合流し、1本の矢印になって前へ進みます。
さらに、最後に当社の正式なロゴ画像を渡し、「ロゴだけを加えて、ほかは変えないで」と頼みました。ロゴの形や色を保ったまま、左上に収めたものが最終版です。
2枚を比べると、単に画像が豪華になったのではありません。伝える内容が変わっています。
- 第1案は、「2つのAIを同時に使っている」という状況を見せる画像
- 最終案は、「2つのAIに違う役割を持たせ、一つの成果へつなぐ」という考え方を見せる画像
画像生成も文章と同じです。「きれいに」だけでは、きれいな画像で終わります。誰に何を感じてほしいかまで言葉にすると、AIは意味を描き始めます。
文章、画像、サイトへの反映を一つの仕事としてつなげられる。これもCodexを制作工房と考える理由です。
私なら、1日の仕事をこう分ける
3つの道具も、役割を時間帯と工程で決めれば迷いません。私が考える一日は次のとおりです。
07:00 Claude Codeで1日の現在地を確認
予定、連絡、昨日からの持ち越しを整理し、今日やることを3つに絞ります。昨日までの経緯は、育ててきたジャーヴィスに確認します。
09:00 Claude Codeで案件の背景と完成条件をまとめる
目的、対象読者、守るルール、納品形式を一枚にまとめます。経営者が決めるべきなのは、手段より先に完成条件です。
11:00 Codexで制作や開発に集中
ホームページの改善、新しい仕組みの試作、画像制作、複数ファイルにまたがる修正など、まとまった仕事を一つの案件として進めます。必要な資料と作業範囲を渡し、途中経過を確認しながら形にします。
13:30 Antigravity IDEで変更点と実行結果を見る
ファイル、変更前後の差分、実行結果を画面で確認します。技術用語が分からなくても、画面が意図どおりかは自分の目で見られます。
15:30 必要なら別の作業場所で並行する
Claude Codeが通常のフォルダを使う間、CodexはWorktreeという別室で作業します。並行化とは、同じ書類を触らせず、仕事を別の机に分けることです。
17:30 別のAIで確認し、人間が最終判断する
Claude Codeが作った案をCodexに点検させる。Codexが実装したものをClaude Codeに経営や運用の視点から確認させる。最後は私が、目的に合っているか、公開してよいかを判断します。
一人のAIに作成と最終確認をすべて任せるより、違うAIの視点を通したほうが、思い込みを減らせます。ただし、AI同士が賛成したから正しいとは限りません。責任までAIへ移すことはできない。この線だけは、道具が進化しても変わりません。
同じフォルダで使うなら、Git・Worktree・.envを理解しよう
Claude CodeとCodexを同じMacで使う場合、便利さより先に「ぶつからない仕組み」を作る必要があります。特に大切なのが、同じ作業場所の同時編集、Git、Worktree、そして.envです。
1.同じ作業場所を同時に編集させない
Claude CodeとCodexに、同じ時間、同じフォルダ、同じファイルを編集させるのは避けます。片方が書き換えた直後に、もう片方が古い内容を基に上書きする可能性があるからです。
一つの作業場所を使うなら、Claude Codeの仕事が終わってからCodexを動かす。並行して動かすなら、担当ファイルを完全に分けるか、Worktreeを使って作業場所そのものを分けます。
2.Gitは「変更履歴」、Worktreeは「別の作業机」
Gitは、誰がどこを変えたかを残し、必要に応じて変更を比べる仕組みです。Worktreeは、同じプロジェクトの履歴を共有しながら、別の場所で別の作業を進める仕組みです。
使い始める前に変更状態を確認し、どちらのAIが何を担当するかを決める。作業後は、変更点を見てから一つにまとめる。この順番を守れば、AIを増やしても混乱を減らせます。
3..envは秘密情報の入った鍵箱
.envというファイルには、外部サービスへ接続するための認証情報などが入ることがあります。通常はGitの管理対象から外すため、Worktreeを作っても自動では入りません。
これは不便ではなく、安全のための仕組みです。「動かないから」と秘密情報を何も考えずに複製するのではなく、その作業に本当に必要な権限だけを渡してください。読むだけでよい仕事に、送信や削除の権限まで持たせる必要はありません。
4.記憶と機能は、AIごとに別だと理解する
共通のルールを読ませても、Claude Codeの記憶や専用機能がCodexへ自動で常時同期されるわけではありません。逆も同じです。引き継ぐべき内容は、人間が読める指示書や作業メモとして残し、どちらからでも確認できる形にします。
AIを増やす目的は、仕事を二重に散らかすことではありません。ルール、担当、作業場所、最終確認者を決めたうえで、それぞれの強みを使うことです。
導入は1つ、2つ、3つの順で増やそう
最初から3つ全部は要りません。道具を増やしすぎると、AIへ頼む時間より選ぶ時間が長くなります。
第1段階:まず1つで、毎週の仕事を一つ任せる
最初はClaude CodeかCodexのどちらか一つで十分です。過去の経緯や文章、定例業務を育てたいならClaude Code。案件ごとに制作や実装を進めたいならCodex。まずは、毎週繰り返している仕事を一つ選んでください。
議事録を整理する、ブログの構成を作る、ホームページの修正案を出すなど、完成したかどうかを自分で判断できる仕事から始めるのがおすすめです。
第2段階:ルールが固まったら、2つ目を確認役にする
一つ目のAIに仕事を任せる中で、「毎回これを確認している」「この形式で出してほしい」というルールが見えてきます。そのルールを指示書にまとめてから、2つ目のAIを入れます。
最初から二人へ別々の説明をするのではなく、共通の説明書を作ってから増員する。人の採用と同じで、仕事の型がないまま人数だけ増やしても、生産性は上がりません。
第3段階:画面で介入したくなったら、操縦席を加える
ファイルが増え、変更点を自分でも見渡したくなった段階で、Antigravity IDEのようなGUI、つまり画面操作中心の開発環境を加えます。複数エージェントの指揮が必要になったら、Antigravity 2.0の指令室という選択肢もあります。これで、母艦、工房、操縦席の3つがそろいます。
一つずつ増やせば役割が明確になり、使わない道具の設定や料金も避けられます。
AIは「どれを選ぶか」から「どう組ませるか」へ
生成AIの世界では、すぐに「どちらが上か」という比較が始まります。
しかし、経営者にとって大切なのは、ベンチマークの点数ではありません。自分の会社の仕事が前に進むかどうかです。
今の私にとって、Claude Codeは長く育ててきた相棒です。会社の記憶と継続業務を支える母艦です。Codexは、一つの案件を文章、画像、実装、確認まで形にする制作工房です。そしてAntigravityは、ファイルや変更点を人間の目で追いながら介入できる操縦席です。
片方を捨てる必要はありません。3つすべてを毎日使う必要もありません。
経営の記憶と日々の流れはClaude Code。制作や開発を案件ごとに進める仕事はCodex。変更点を画面で見ながら人間が判断したい場面はAntigravity。そして重要な成果物は、別のAIの視点を通し、最後は人間が確認する。
AIを一人選ぶ時代から、複数のAIで自分のチームを作る時代へ。私自身、これから実際の仕事で使い込みながら、この3刀流を育てていこうと思います。
あなたの会社でも、最初から大きなAI組織を作る必要はありません。まず一つの作業フォルダを作り、一つの仕事を任せてみてください。次に、その仕事のルールを残してください。二つ目のAIを入れるのは、その後で十分です。
道具に会社を合わせるのではなく、会社の仕事に合わせて道具を配置する。これが、中小企業がAIに振り回されず、AIを本当の戦力に変える方法だと私は考えています。
※本記事は2026年9月2日時点で、実際に環境を構築して使い始めた初日の所感と、当日の購入画面・料金表示を基にまとめたものです。各サービスの機能、利用枠、クレジット換算、価格、画面は今後変更される可能性があります。画像生成費と記事全体の消費量は公開料金、当日の購入単価、タスク記録を使った概算です。
㈱デリシャスノーツでは、社長・経営者さま向けに、会社の業務に合わせたAIエージェント導入・活用設計の伴走支援を行っています。「Claude CodeやCodexを、自社ではどう使い分ければいいのか」「自分専属のAIチームを一緒に作ってほしい」というご相談は、お問い合わせフォームよりお寄せください。
