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WordPress 7.1の変更点と新機能|飲食店サイトで効く3つ

管理画面を開いたら、上のほうに「WordPress の新しいバージョンがあります」という帯が出ていた。そういう方も多いと思います。

そして毎回、同じことを思うはずです。これ、押していいのか。

押した瞬間にサイトが真っ白になったら、明日のランチの予約が止まる。だから多くの店主さんは、その帯を見なかったことにします。気持ちはよく分かります。

ただ今回の7.1は、自分でサイトを触っている飲食店の方にとって、ひさしぶりに「押す価値がある」中身でした。何が変わったのかを、あなたの店の運用に引き寄せて書きます。

目次

2026年8月19日、WordPress 7.1「Mary Lou」が公開されました

名前の由来は、ジャズピアニストのメアリー・ルー・ウィリアムス。WordPress は代々、ジャズミュージシャンの名前をコードネームにしています。

規模を先に書いておくと、800人以上の貢献者(うち170人以上が初参加)が関わり、1,500件を超える改善と修正が入りました。日本語を含む20以上の言語で、初日から翻訳が揃っています。

ひとつ前の7.0「Armstrong」が2026年5月20日。7.0が土台を入れ替えた回だとすれば、7.1は使い勝手を詰めた回です。派手さはありませんが、毎日触る人ほど差を感じます。

変わったこと1・スマホの見た目だけを、CSSなしで直せます

「パソコンでは整っているのに、スマホで見ると見出しが大きすぎる」「画像が画面からはみ出す」。これを直すには、これまで CSS(Cascading Style Sheets / スタイルシート / 見た目を指定するための言語)を書くか、制作会社に頼むしかありませんでした。

7.1では、これが編集画面の中で完結します。エディターの「表示」メニューにある「レスポンシブスタイル」をオンにして画面サイズを切り替えるか、グローバルスタイルの「状態」ドロップダウンにある「ビューポート」から指定します。

区切りは既定で2つです。

呼び方 効く画面幅
モバイル 幅480px以下
タブレット 480px超〜782px以下

デスクトップ用の欄はありません。ふだんどおりに設定した見た目が、そのままデスクトップの基準になり、そこからスマホ・タブレットだけを上書きする、という考え方です。

指定できるのは、文字(タイポグラフィ)・色・背景・枠線・サイズ・余白・レイアウト。つまり「スマホのときだけ文字を一段小さく、余白を詰める」が、CSSを一行も書かずにできます。

ここは7.0と混同しやすい部分です。7.0で入ったのは「この画面サイズでは表示する/しない」という出し分け。7.1で入ったのは「同じものを、画面サイズごとに違う見た目にする」。別の機能です。

変わったこと2・料理写真のアップロードが、ブラウザ側の仕事になりました

料理写真は重い。一眼で撮れば1枚で数MB、スマホでも決して軽くはありません。それを何十枚も上げようとして「アップロードに失敗しました」で止まる。共有サーバーのメモリ上限にぶつかるのが理由です。

7.1では、圧縮・リサイズ・形式変換・回転・サムネイル生成が、アップロードされる前にブラウザの中で終わります。使われているのは wasm-vips(libvips という画像処理ソフトを、ブラウザ上で動く WebAssembly という形式に作り直したもの)。サーバーに届くのは、すでに小さくなったファイルです。

iPhone の写真もそのまま上げられるようになりました。HEIC(iPhone の標準の画像形式)はブラウザの中で JPEG に変換されてアップロードされ、元の HEIC は source_image という付属ファイルとして一緒に保管されます。捨てられるわけではありません。

AVIF はサーバー側が対応していなくてもブラウザ側で読めるようになり、UltraHDR のゲインマップ(明るい部分の情報を別に持たせて、対応した画面でより明るく見せる仕組み)も、生成される各サイズまで保たれます。

ただし、ここは正直に書いておきます。この処理が効くのは Chrome と Edge の137以降だけです。Firefox と Safari は自動的に従来どおりのサーバー側処理に戻ります(公式には「後退はない」と明記されています)。Mac や iPhone の Safari で管理画面を開いている限り、恩恵は受けられません。写真を上げるときだけ Chrome を使う、というのが現実的な運用です。

変わったこと3・「タブ」ブロックで、メニューを1ページに畳めます

ランチ、ディナー、コース、ドリンク。全部を縦に並べると、スマホでは延々スクロールになります。かといってページを分けると、今度はお客さまに移動してもらう必要が出てきます。

7.1で追加されたタブブロックは、その中間を埋めます。公式の説明は「すべてを一度に見せる代わりに、タブ付きのパネルに整理する」。タブの中には見出しも画像も表も入れられるので、メニュー・コース・宴会プラン・よくあるご質問あたりが素直にはまります。

同時にプレイリストブロックも入りました。音声ファイルをまとめて置け、再生中の波形も表示できます。店内BGMの紹介やポッドキャストをされているお店向けです。

地味に毎日効く、小さな変更が3つ

管理バーが、すべてのエディターで表示されたままになりました。 編集中に「サイトを表示」やダッシュボードへ戻るのが一手で済みます。

画像編集が専用のモーダル(画面の上に重なる小窓)にまとまりました。 切り抜き、上下左右の反転、回転角度の細かい調整、メタデータの編集が、ひとつの画面に集まりました。

ノートが使いやすくなりました。 ノートは6.9で入った、編集画面の上でやり取りできるメモ機能です。7.1で太字・斜体・コード・リンクが使えるようになり、@ で相手を指名できるようになりました。指名された人にはメールで通知が届きます。制作会社やスタッフと原稿を直すときに効きます。

なお、ボタンブロックとナビゲーションリンクブロックは、マウスを乗せたとき・キーボードで選んだとき・押した瞬間の見た目を、これも CSS なしで指定できるようになりました。

動作環境は変わっていません。ただし「動く」と「推奨」は別の話です

7.1で最低要件が引き上げられた、という告知はありません。ラインを上げたのは7.0のほうで、ここで PHP 7.2 と 7.3 が切られ、最低が PHP 7.4 になりました。

一方、WordPress.org が推奨として掲げているのは次のとおりです。

項目 推奨
PHP 8.3以上
データベース MariaDB 10.11以上 または MySQL 8.0以上
HTTPS すべてのインストールで必須

同じページに、こうも書かれています。「WordPress は PHP 7.4以上、MySQL 5.5.5以上でも動作しますが、それらのバージョンは公式サポートが終了しており、セキュリティ上の脆弱性にさらされる可能性があります」。

動くことと、安全なことは別です。 ご自身のサイトの数字は、管理画面の「ツール → サイトヘルス → 情報 → サーバー」で確認できます。PHP が 7.4 のままなら、更新の前に、レンタルサーバー側で PHP のバージョンを上げられないか相談してください。

7.0から7.1へは、自動では上がらないことがあります

誤解の多いところです。WordPress 5.6以降に新しく作られたサイトは、マイナー更新もメジャー更新も、既定で自動更新が有効になっています。一方それ以前から動いているサイトは、管理者が明示的に有効にしていない限り、自動で入るのはマイナー更新と翻訳ファイルだけ。7.0.4 から 7.1 への更新は手動です。

つまり、古くから運用しているサイトほど「勝手に上がって壊れる」心配は小さく、逆に最近作ったサイトほど「気づいたら上がっていた」が起こり得ます。ご自身のサイトがどちらなのか、先に把握しておいてください。

更新の前にやること、4つ

WordPress 公式ドキュメントが勧めている順番です。

  1. サイト全体をバックアップする(データベースとファイルの両方。.htaccess も忘れずに)
  2. そのバックアップが本当に戻せるかを確認する
  3. プラグインをいったん無効化する
  4. 更新後、プラグインとテーマを一つずつ更新し、警告やエラーが出ないか確かめる

そのうえで、今回に限って見ておきたい点が3つあります。いずれも公式のフィールドガイドに明記されています。

  • 投稿エディターが、すべてのテーマで iframe(枠の中に別のページを読み込む仕組み)化されました。 エディターの外側と内側をまたいで見た目や動きを足しているプラグインは、確認が要ります。
  • 投稿一覧の表の作りが変わりました。 行の見出しが、チェックボックスの列からタイトルの列に移っています。一覧に列やボタンを追加するプラグインは、表示が崩れる可能性があります。
  • jQuery UI が 1.14.2 に更新されました。 これに依存しているプラグインは動作確認を。

可能なら、いきなり本番ではなくステージング(本番と同じ内容の練習用サイト)で先に試してください。多くのレンタルサーバーが標準機能として持っています。

明日、ひとつだけやってみてください

更新ボタンの話ではありません。

スマートフォンで、ご自身の店のメニューページを開いてください。 そして、文字が大きすぎる箇所、画像がはみ出している箇所、行間が詰まりすぎている箇所を、ひとつだけメモしてください。

それが、7.1のレスポンシブスタイルで直せる場所です。更新するかどうかを決めるのは、直したい場所が具体的に一つ見つかってからで、まったく遅くありません。


出典(すべて公式情報)

  • WordPress 7.1「Mary Lou」リリース発表 — https://wordpress.org/news/2026/08/mary-lou/
  • 日本語版リリース発表 — https://ja.wordpress.org/2026/08/20/mary-lou/
  • Version 7.1(WordPress Documentation) — https://wordpress.org/documentation/wordpress-version/version-7-1/
  • WordPress 7.1 Field Guide — https://make.wordpress.org/core/2026/08/05/wordpress-7-1-field-guide/
  • Responsive block styles and configurable viewports in WordPress 7.1 — https://make.wordpress.org/core/2026/08/05/responsive-block-styles-and-configurable-viewports-in-wordpress-7-1/
  • Pseudo and custom style states in WordPress 7.1 — https://make.wordpress.org/core/2026/08/05/pseudo-and-custom-style-states-in-wordpress-7-1/
  • Client-Side Media Processing in WordPress 7.1 — https://make.wordpress.org/core/2026/07/22/client-side-media-processing-in-wordpress-7-1/
  • Post list tables row headers changed — https://make.wordpress.org/core/2026/08/03/post-list-tables-row-headers-changed/
  • Notes feature in WordPress 6.9 — https://make.wordpress.org/core/2025/11/15/notes-feature-in-wordpress-6-9/
  • WordPress 7.0 Field Guide(最低 PHP バージョンの変更) — https://make.wordpress.org/core/2026/05/14/wordpress-7-0-field-guide/
  • WordPress Requirements — https://wordpress.org/about/requirements/
  • Upgrading WordPress(更新手順) — https://developer.wordpress.org/advanced-administration/upgrade/upgrading/
  • WordPress 7.1 リリース候補版1(@メンション時のメール通知) — https://ja.wordpress.org/2026/08/06/wordpress-7-1-release-candidate-1/

㈱デリシャスノーツでは、飲食店・中小企業の経営者さま向けに、自社サイトの運用やWordPressまわりのご相談も承っております。「更新して大丈夫かどうか、うちのサイトを一度見てほしい」「スマホの表示だけ整えたい」といったご相談は、お問い合わせフォームよりお寄せください。

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