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AI vs AI のセキュリティ大戦争|「今、事務所にいる?」から店を守る設定

件名:株式会社◯◯
本文:お疲れ様です。今、会社にいる? 読んだら返信して。

たった、これだけのメールです。

差出人の名前の欄には、あなたの会社の社長の名前が入っています。本文は10文字ほど。リンクも、添付ファイルも、怪しい日本語も、何ひとつありません。

これが、いま出回っているメール詐欺の入口です。

正直に申し上げます。この一通を「見た目で見抜けますか」と聞かれたら、私は無理だと答えます。 10文字の日本語に、違和感は探せません。

でも、止める方法はあります。 費用はゼロ円、作業は10分です。

この記事では、①いま何が起きているのか ②なぜ迷惑メールに入らないのか ③今日その穴をふさぐ設定手順 ④Google Workspace を使っていないお店はどうするか、を順にお話しします。専門用語は出てくるたびに全部かみ砕きます。


目次

1.いま何が起きているのか — 3段構えの手口

この手口は BEC(Business Email Compromise / ビジネスメール詐欺 / 取引先や自社の役員になりすまし、お金を振り込ませる詐欺) と呼ばれる型で、きれいに3段階に分かれます。

第1段:打診 ─「このアドレス、生きてる?」

最初に届くのが、冒頭の一通です。

  • 件名:会社名だけ
  • 本文:「今、事務所にいる?」「お疲れ様です。今、会社にいる? 読んだら返信して。」
  • リンクなし・添付なし

この一通には、詐欺の要素が1ミリも入っていません。 目的が、詐欺ではなく「点呼」だからです。

送る側は名簿を何百件と持っていますが、そのアドレスが今も使われているかは分かりません。だから当たり障りのない一文を投げて、返信するかどうかを見ている。 返信が来た瞬間、そのアドレスは「生きていて、しかも社長の名前に反応する人」に格上げされます。返信すること自体が、相手への回答になっている。

なりすましメール詐欺の3段階(打診→チャットへの誘導→送金指示)

第2段:チャットへの誘導 ─ メールから、逃げていく

「はい、事務所におります」と返信すると、次にこういう内容が来ます。

「業務のやり取りに使うので、LINEで新しいグループを作ってください。
他のメンバーは招待せず、ご自身だけが入っている状態にして、
QRコードか招待リンクを返信してください」

いかにも社長が言いそうな指示です。でも、不自然な点が3つあります。

指示の内容 本当は何をしているか
「新しいグループを作って」 既存のグループを使わない=本物の社長がいる場所に近づかない
「他のメンバーは招待しないで」 他の社員に見られたくない=相談されたら終わるから
「QRコードか招待リンクを送って」 社長のLINEを持っていない=招待してもらうしかない

そして、あなたが作った「あなた一人だけのグループ」に犯人が入ってきます。アイコンを社長の顔写真に、名前を社長の名前にして。 ここから先はすべてLINE。メールはもう使われません。

なぜ、チャットに移りたがるのか。 メールは会社の仕組みで守れますが、個人のLINEは守れないからです。この記事の設定も迷惑メールフィルタも、LINEの中までは届きません。引きずり込まれた時点で、機械の防御は終わります。

第3段:送金指示

そして、最後に出てくるのがこれです。

  • 「取引先の口座が変わったので、新しい口座に振り込んでほしい」
  • 「今日中に至急送ってくれ。会議中だから電話には出られない」
  • 「先方が請求書を差し替えたいそうだ。こっちの口座で処理して」

共通しているのは、急がせることと、電話をさせないこと。「会議中」「移動中」「海外にいる」——理由はいくらでも作れます。


2.なぜ、迷惑メールフォルダに入らないのか

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

「怪しいメールは、Gmailが勝手に迷惑メールに入れてくれるんでしょう?」

入りません。 この手口に関しては、まず入らないとお考えください。

偽装されているのは「名前」だけ。アドレスは本物です

メールの差出人欄には、実は2つの情報が入っています。

呼び方 どこで決まるか
表示名 山田 太郎 送る人が自由に決められる
メールアドレス xxxxx@gmail.com 契約したサービスで決まる

郵便でたとえるなら、①が便箋の署名、②が封筒の住所。署名は誰でも好きな名前が書けますよね。メールも同じで、表示名は打ち込むだけで変えられます(不正アクセスではなく、正規の機能です)。

この手口は、普通のフリーメールに、社長の名前を表示名として設定しただけ。 会社のドメイン(@より後ろ)は、一切乗っ取られていません。

だから、3つの認証は全部「合格」になります

なりすましを防ぐ仕組みが、メールには3つあります。呪文のような名前ですが、中身は単純です。

略称 正式名 日本語で言うと 何を確かめているか
SPF(エスピーエフ) Sender Policy Framework 送信元サーバー認証 「このサーバーから出していい」と、ドメインの持ち主が事前に宣言しているか
DKIM(ディーキム) DomainKeys Identified Mail 電子署名 押された封蝋(ふうろう)が本物か。中身が書き換えられていないか
DMARC(ディーマーク) Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance なりすまし対応方針 上の2つに失敗したメールをどう扱ってほしいか。持ち主の意思表示

この3つは、「差出人のドメインを騙っていないか」を見張る仕組み。誰かが @あなたの会社.co.jp を名乗って外から送れば、ここで引っかかります。

ところが今回の手口は、本物のGmailアカウントから、Googleのサーバーを通って、正規の手順で送られてきます。

つまり、SPF・DKIM・DMARC は3つとも「pass(合格)」になる。 メールの仕組みから見れば、1ミリも嘘のない正規のメールです。嘘をついているのは、表示名という、認証の対象になっていないただの文字列だけ。

SPF・DKIM・DMARCが全て合格し、表示名だけが偽装されている状態

🛑 ここが最大の誤解ポイントです。
「SPF・DKIM・DMARCを設定したから、なりすましは防げる」——半分しか正しくありません。
防げるのは「会社のドメインを騙るメール」だけ。
「社内の人の”名前”を騙るフリーメール」は、素通りします。

なお、SPF・DKIM・DMARC 自体の設定方法は、こちらの記事でDNSに書く1行1行までご説明しています。土台としては必須なので、まだの方は先に済ませてください。

スマホが、いちばん危ない

スマホのメールアプリの多くは、表示名しか出しません。 一覧画面の幅が狭いからです。厨房で、片手で、営業中に通知をちらっと見る。そこに社長の名前が出ている。——目にしている情報は、犯人が打ち込んだ文字列だけです。

対策: スマホで差出人の名前をタップしてみてください。多くのアプリは、そこで初めてアドレスを出します。名前をタップしてアドレスを見る癖。 これだけで防げるものが、かなりあります。


3.「日本語が変だから分かる」は、もう死んだ見分け方です

ここからが、この記事の背骨です。私がいちばん危ういと感じるのが、この認識です。

「詐欺メールって、日本語がおかしいからすぐ分かるでしょう」

それは、2〜3年前までの話です。もう完全に通用しません。

かつての詐欺メールには、はっきりした特徴がありました。たどたどしい機械翻訳の日本語、ちぐはぐな敬語、混ざり込む簡体字、文字化け。全部、書いている人が日本語のネイティブではなかったことの副産物です。私たちは長いあいだ、その”訛り”を頼りに詐欺を見抜いてきました。

生成AIが、その訛りを完全に消しました。

いまや、日本語をひとことも話せない人が、完璧なビジネスメールを、無料で、数秒で、何百通ぶんでも作れます。敬語も、季節の挨拶も、業界の言い回しも、指示ひとつ。

そして今回の手口が恐ろしいのは、そのAIで”長い名文”を書くのではなく、逆に振り切っていることです。

「今、事務所にいる?」

10文字です。 ここに違和感を探せますか。敬語のミスも、変換ミスも、存在する余地がない。 短いという、ただそれだけで、文面判定が無効化されています。

文面で見破る時代は、終わりました。

では、どう戦うのか

攻撃がAIで自動化されたのなら、防御もAIと機械のルールで自動化するしかない。

人間の注意力を頼りにする防御は、必ず、いつか破られます。 こちらは営業中で、手が塞がっていて、疲れている。相手は24時間、機械で送ってくる。この勝負を、人間の集中力で受けてはいけません。

幸い、防御側にもAIはあります。Google Workspace には、機械学習で「社員の名前を騙っているが、認証されていないメール」を検出する機能があります。人間の目視ではなく、AI側の判定です。

ただし——既定では、オフになっています。 ここが「今まで空いていた穴」です。


4.飲食店が、特に狙われる理由

当てはまる項目が多いほど、優先度は高いとお考えください。
| | 飲食店の現実 | なぜ、危ないか |
|—|—|—|
| ① | 仕込み・ランチ・発注・シフトでとにかく忙しい | 「社長から短いメール、とりあえず返そう」が、いちばん自然な反応 |
| ② | 確認手段がスマホしかない | 前章のとおり表示名しか出ません |
| ③ | 社長の一声で、お金が動く | 決裁が何段階もないのは強み。ただしその一段を破られたら終わり |
| ④ | LINEが、業務の主戦場 | 「LINEでグループ作って」に違和感を持ちにくい。最悪の相性 |
| ⑤ | 取引先の口座変更が、実際にある | 酒販・食材・おしぼり・リネン。嘘が紛れ込む余地が大きい |

これは「あなたが狙われた」話ではありません

こうした一斉送信には、差し込みタグの置換漏れ——名簿の項目を流し込むための目印が、本文にそのまま出てしまう現象——が残っていることがあります。名簿に大量のアドレスを流し込んで、機械で一斉に送っている証拠です。

つまり、

あなたが個人的に恨まれているのでも、狙い撃ちされているのでもありません。
どこかの名簿に、あなたのアドレスが載っていた。それだけです。

これは慰めではなく、判断に直結する事実です。「うちみたいな小さい店を狙う人はいない」——この前提が、そもそも間違っている。狙われているのではなく、撒かれている。 規模は関係ありません。


5.【実践】Google Workspace の穴を、今日ふさぐ

ここからが実作業です。所要10分・追加費用ゼロ。

対象は Google Workspace(グーグル・ワークスペース / 独自ドメインでGmailやGoogleドライブを使う法人向けサービス) をお使いのお店です(お使いでない場合は第7章へ)。用意するのは、特権管理者の権限を持つアカウント(普通は契約時のアカウント)と、パソコン。スマホでは操作しづらいので、必ずパソコンで。

手順:たどり着くまでの5ステップ

  1. admin.google.com にログイン
  2. 左メニューの 「アプリ」
  3. 「Google Workspace」
  4. アプリ一覧から 「Gmail」
  5. 下にスクロールして 「安全性」

「安全性」には添付ファイルやリンクの設定がずらりと並びます。いちばん下までスクロールしてください。 そこに目的の項目があります。

「なりすましと認証」

Google Workspace「なりすましと認証」設定前と設定後の比較

おそらく、5項目すべてのチェックが外れているはずです。 これが既定の状態。契約すれば自動で守ってくれると思っていた方は多いはずです。私もそうでした。違うんです。自分で開いて、オンにしないと効きません。

設定する内容(この5項目を、この通りに)

項目名の右の編集(鉛筆)マークをクリックすると、設定画面が開きます。

有効にすべき5項目と、それぞれに設定する操作の一覧

# 項目名 チェック 操作の選択
1 類似したドメイン名に基づくドメインのなりすましに対する保護機能 ON メールを迷惑メールに移動
2 従業員名のなりすましに対する保護機能 ON メールを迷惑メールに移動
3 受信メールによるドメインのなりすましに対する保護機能 ON メールを迷惑メールに移動
4 未認証メールに対する保護機能 ON メールを受信トレイに残し、警告を表示
5 受信メールによるドメインのなりすましから Googleグループを保護 ON メールを迷惑メールに移動

この記事の主役は、2番の「従業員名のなりすましに対する保護機能」です。

これこそが、「社内の人の名前を名乗っているのに、社内から出ていないメール」を機械学習で検出する機能。今回の「社長の名前をかたるフリーメール」を、AIが名指しで捕まえに行く設定です。ここが空いていたら、他を何十個埋めても、この手口は入ってきます。

1番と3番は、deliciousnotes.com に対する deliciousn0tes.com のようなそっくりさんドメインへの防御です。

チェックを入れても「操作=なし」では何も起きないという落とし穴

🛑 絶対に踏んではいけない罠が、2つあります

罠その1:4番「未認証メール」だけは、迷惑メール送りにしないでください。

SPF・DKIM を設定していない正規の取引先が、いまも一定数いるからです。

ここを「迷惑メールに移動」にすると、本物の商談メール・請求書・予約問い合わせが、静かに消えます。 しかも消えたことには、誰も気づきません。 詐欺に引っかかるのとは別種の、同じくらい高くつく事故です。

まずは 「受信トレイに残し、警告を表示」 で。受信箱に届いた上で、上部に警告バーが出ます。何も失わずに、注意だけを足せる。 実害がないと確認できてから、強めるかを判断すれば十分です。

罠その2:チェックを入れただけでは、何も起きません。

各項目には、チェックボックスとは別に 「操作を選択」というプルダウンがあります。ここが 「なし」のままだと、検出はするけれど何もしない状態です。チェックだけ入れて閉じる——本当に踏みやすい罠。 5項目すべて、プルダウンが上の表のとおりか目で確かめてください。

最後に

  • 右下の 「保存」 をクリック
  • 反映まで数分〜最大24時間(すぐ効かなくても慌てないでください)
  • 組織部門(部署ごとの設定単位)が複数あるなら、適用範囲が「全社」かを確認

効き目は、ご自身のプライベートなGmailの表示名を社長のお名前に変えて、会社のアドレス宛に1通送れば確かめられます。迷惑メールに入るか警告バーが出れば、設定は生きていますテスト後は必ず表示名を元に戻すこと)。


6.AIだけでは、勝てません — 運用ルール3か条

ここまでで、機械で落とせるものは落としました。 ただし、AIだけでは勝てません。 理由は2つあります。

  • 機械学習の判定に、100%はありません(100%にすると、本物まで死にます)
  • 犯人はメールから逃げて、LINEに移ります。 会社の設定も、個人のスマホの中までは届きません

だから最後は、人の側の約束事で止めるしかない。大半を機械で落とし、残りを運用ルールで止める。 この二段構えが、この記事の結論です。次の3つを、朝礼で共有して、紙に書いて事務所に貼ってください。

第1条:フリーメールから届く「社長の名前」は、全部偽物

社長がフリーメールで業務連絡をしない、と先に決めれば、判定は一瞬で終わります。

  • 会社の連絡は、必ず会社のドメイン(@より後ろが自社のもの)から出す
  • @gmail.com @yahoo.co.jp @outlook.com などから届いた”社長”は、内容を読む前に偽物と判断する

ポイントは、内容で判断しないこと。 読み始めた時点で、相手の土俵です。@より後ろだけを見て、機械的に切る。

第2条:送金・口座変更の指示は、必ず「電話で口頭確認」

これが、最後にして最強の防波堤です。

メールとチャットだけで来た送金指示は、金額の大小にかかわらず、実行しない。

鉄則がひとつ。🛑 そのメールやLINEに書かれている電話番号には、絶対にかけないでください。

かけるのは、以前から知っている番号——連絡先の番号、名刺の番号、会社の代表番号だけ。メッセージに書かれた番号にかければ、当然、犯人が出ます。

「会議中で電話に出られない」と書いてあったら、詐欺の可能性が上がった合図です。本物の社長なら、後でかけ直してくれます。急かす指示ほど、止める。

第3条:確認した人を、絶対に責めない

この3条目が、いちばん大事です。

第2条をルールにしても、現場は電話をかけられません。「社長を疑うのかと思われたら」「忙しいのに電話して怒られないか」——そう思うからです。詐欺は、この遠慮を突いてきます。 「至急」「会議中」「他の人には言わないで」は、全部確認させないための仕掛けです。

だから、経営者の側から先に宣言してください。

「私からの送金指示は、毎回、電話で確認してください。」
「確認の電話をかけてくれた人を、私は絶対に責めません。むしろ感謝します。」
「間違えて返信してしまった人も、責めません。すぐ言ってください。」

この一言があるかないかで、防御力は変わります。 責める文化の会社では、事故は隠れ、発覚が必ず遅れる。技術の話に聞こえないかもしれませんが、セキュリティの最後の一手は、いつも社風です。


7.Google Workspace を使っていないお店へ

「うちはレンタルサーバーに付いてきたメールアドレス」——飲食店では、むしろこちらが多数派でしょう。その場合、第5章の管理画面はありません。でも、やることは2つに絞れます。

① 運用ルールを、先に決める(今日できます・無料)

第6章の3か条を、そのまま採用してください。実は、ここがいちばん効きます。 管理画面の設定は届く数を減らすもの。本当にお金を止めるのは、電話1本のルールです。

② SPF・DKIM・DMARC を、サーバー会社に相談する

これはあなたが送るメールを守るための設定です。自社ドメインを騙る第三者のメールを止める効果があり、同時にお客様に送るお知らせが、迷惑メールに入りにくくなります。

サーバー会社のサポートに、「当社のドメインで SPF・DKIM・DMARC を設定したいのですが、御社での設定方法を教えてください」と聞けば通じます。多くのレンタルサーバーには、管理画面にボタンが用意されています。詳細は前回の記事をご覧ください。


8.もし、届いてしまったら

実際に届いたとき・返信してしまったときの動き方です。慌てないことが、いちばん。

状況 やること
メールが届いただけ 返信しない。 開いただけなら実害はありません
返信してしまった それ以上やり取りしない。「生きているアドレス」と判定された段階です
LINEグループを作って招待リンクを送った グループを退会・削除する。 相手をブロックする
送金してしまった 最優先で銀行に連絡。 振込先の金融機関に組戻し(くみもどし)を依頼し、同時に警察へ

消してはいけないもの

そのメールを、削除しないでください。 通報の際、「原文」が最重要の証拠になります。Gmailなら右上の「︙」→ 「メッセージのソースを表示」。通信の記録がすべて出ます(この画面を「ヘッダー」と呼びます)。

念のため申し添えると、受け取った側から犯人を追跡することは、まずできません。 Gmail のようなサービスを経由したメールは、発信者の実際のIPアドレス(インターネット上の住所にあたる番号)を、Googleが削除してから配信します。 届いた時点で、足跡は消えているのです。

送信端末のタイムゾーン(時差の設定)が日本時間ではない——たとえば UTC+8 になっている、といった痕跡が残ることはあります。ただし、これは所在地の証拠にはなりません。 端末の設定は誰でも変えられますし、経由地の問題もある。「海外からだ」と決めつけないでください。

追跡できるのは、プラットフォーム事業者と捜査機関だけです。 だからこそ、通報に意味があります。

通報先

窓口 内容 連絡先
Google へのフィッシング報告 Gmailで該当メールを開き「︙」→「フィッシングを報告」。Google側の判定精度の向上に使われます Gmail ヘルプ:フィッシング メールを回避、報告する
警視庁 サイバー犯罪相談窓口 対処方法の相談(被害届の提出は最寄りの警察署へ)。都内にお住まいの方・都内に所在する法人が対象です 03-5805-1731
平日 8:30〜17:15
相談窓口ページ
お住まいの都道府県警察 東京都以外の方はこちら。各県警のサイバー相談窓口の一覧です 警察庁:都道府県警察の連絡先、警察署一覧
IPA 情報セキュリティ安心相談窓口 独立行政法人による技術的な相談窓口。メールでの相談も受け付けています 03-5978-7509
10:00〜17:00(土日祝・年末年始を除く)
窓口ページ
フィッシング対策協議会 事例の報告・最新の手口の確認 antiphishing.jp

※電話番号・受付時間は、2026年8月25日に各機関の公式サイトで確認した値です。リンク先で最新の情報をご確認ください。

「大した被害じゃないから」と黙っていると、次の店が同じ手口でやられます。 報告は、業界全体の防御になります。


おわりに — AIは、敵にも味方にもなります

私は、AIを毎日使っています。原稿を書き、数字を集計し、お店のレポートを作る。AIのおかげでできるようになったことが、山ほどあります。 でも、同じ道具は、攻める側にも、まったく同じ性能で渡っています。 完璧な日本語を、無限に、無料で。これは、もう戻りません。

AIで攻めてくる相手に、人間の注意力だけで立ち向かうのは、
素手で機関銃の前に立つようなものです。

こちらもAIを、守りに使いましょう。 やることは、たった3つでした。

  • 管理コンソールで、5項目をオンにする(10分・無料)
  • 3か条を紙に書いて、事務所に貼る(5分・無料)
  • 「確認した人を責めない」と、経営者が先に宣言する(0分・無料)

合計15分。しかも、一度やれば、あとは機械が働き続けてくれます。 私たちの業界に、セキュリティへ割ける時間なんてほとんどありません。だからこそ、機械に任せられるところは全部任せてしまう。 これが、忙しい飲食店にいちばん現実的な守り方です。

3年前まで、詐欺メールは日本語で見抜けました。今日、それはできません。 3年後には、また何かが変わっているはずです。そのたびに守り方をアップデートしていくしかない。 幸い、それを一緒に考えてくれる相棒(AI)も、こちら側にいます。

今日は、まず10分。 管理コンソールを開いて、「なりすましと認証」の5項目にチェックを入れてください。

あなたのお店の穴は、まだ開いたままかもしれません。それは、今日ふさげるということです。


㈱デリシャスノーツでは、飲食店さまの Google Workspace の初期設定・セキュリティ設定の見直し・メールの送信ドメイン認証(SPF・DKIM・DMARC)の設定代行もお手伝いしています。「うちの設定、どうなっているか一度見てほしい」「スタッフ向けの注意喚起の資料を作ってほしい」といったご相談は、お問い合わせフォームよりお寄せください。

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