日本酒応援サイト「サケナビ」掲載日本酒絶賛募集中です。

Claude Code×Higgsfieldで30秒AI動画を作ってみた【Seedance 2.0】

「ターミナルに日本語で『ロケットを背負った女性が宇宙へ飛び立つ動画を作って』と打ち込んだ。数分後、そこには1080pフルHD・効果音つきの、まるで映画予告編のような30秒の映像が出来上がっていた——。」

正直、画面を見ながら声が出ました。「えっ、もうここまで来たの?」と。今回は、ターミナルで動くAIエージェント「Claude Code」に、生成AI映像プラットフォーム「Higgsfield」をMCP接続して、画像から動画、音声、YouTubeアップロードまでを”全部日本語の指示だけ”で完結させた実験レポートです。数年前なら制作会社に発注して数十万円・数週間かかっていたであろう映像が、ターミナルの中で数分・数百円相当で生まれてしまう。その衝撃と、実際にやってみたからこそ分かった勘所を、正直にお届けします。

目次

そもそも何をやったのか — AIに「映像制作スタジオ」を繋いだ

まず、今回の主役を2つ紹介させてください。

ひとつめが「Claude Code」。これはAnthropic社のAI「Claude」が、ターミナル(黒い画面にコマンドを打ち込む、あの開発者ツールです)の中で動くエージェント版です。普通のチャットAIと違うのは、ファイルを読み書きしたり、外部のツールを呼び出したり、実際に手を動かしてくれるところ。いわば「指示すると現場で作業してくれるAIスタッフ」です。

ふたつめが「Higgsfield(ヒッグスフィールド)」。こちらは生成AIで画像や動画、音声を作れる映像プラットフォームです。中には複数の最先端AIモデルが揃っていて、用途に応じて使い分けられます。

この2つを「MCP」で繋ぎました。MCPとは「Model Context Protocol(モデル・コンテキスト・プロトコル)」の略で、ひとことで言えばAIに外部ツールを繋ぐための共通規格です。スマホで言うところのUSB-Cみたいなもの、と考えてください。これまではツールごとに別々の繋ぎ方が必要でしたが、MCPという共通の差込口ができたことで、「Claude Code(AI本体)」に「Higgsfield(映像スタジオ)」をスポッと挿せるようになった。結果として、私はターミナルに日本語で指示を打ち込むだけで、画像を作り、それを動画にし、音声をつけ、YouTubeに上げるところまでをひとつの流れで頼めるようになったわけです。

接続そのものはあっけないほど簡単でした。

  1. Claude CodeにHiggsfieldのMCPサーバー(mcp.higgsfield.ai/mcp)を登録する
  2. OAuth認証(オーオース。パスワードを直接渡さずに「このアプリの利用を許可します」と安全に連携する仕組み)でサインインする
  3. Claude Codeを再起動する

これだけ。プランは「ULTRA(月3,000クレジット)」を使いました。クレジットは生成のたびに消費される、いわば回数券のようなものです。

使った2つのAI — 「設定画を描く子」と「動かす子」

今回の制作では、Higgsfield内の2つのAIモデルを役割分担させました。料理で言えば「盛り付けの達人」と「火入れの達人」を別々に呼んだイメージです。

ひとつはGPT Image 2(OpenAI製)。超高精細な静止画を作るのが得意で、しかも画像の中に文字を綺麗に描けるのが特長です(生成AIは長らく「文字を描くのが苦手」だったので、これは地味にすごい)。16:9の横長、2K・4Kの高解像度にも対応。今回はこのGPT Image 2に、動画の出発点となる「キーフレーム(設定画・一枚絵)」を描いてもらいました。

もうひとつがSeedance 2.0(ByteDance製)。こちらは静止画を動画に変える「image-to-video(画像から動画)」が役割です。1本あたり最大15秒、人物の見た目が動いてもブレにくい「一貫性」の高さが売りで、しかもネイティブ(標準機能)で効果音までつけてくれる。1080p(フルHD)に対応しています。GPT Image 2が描いた一枚絵を、このSeedance 2.0が”動かす”。この連携が今回の肝でした。

両者の違いを表にまとめます。

項目 GPT Image 2(OpenAI) Seedance 2.0(ByteDance)
役割 静止画(キーフレーム)の生成 画像を動画化(image-to-video)
得意なこと 超高精細な描写・文字描画 動画化・人物の一貫性・効果音生成
解像度 16:9 / 2K / 4K対応 1080p(フルHD)対応
1回の出力 一枚絵 最大15秒の動画
今回の使いどころ ヒロインの設定画づくり 設定画を動かして物語に

「一枚絵を作る子」と「それを動かす子」を分けることで、まず絵をしっかり固めてから動画化できる。ここがクオリティを安定させるコツでした。

制作フロー — 全部、日本語で頼んだだけ

では実際にどう作ったか。驚くべきは、私が触ったのはターミナルへの日本語入力だけ、ということです。画像編集ソフトも動画編集ソフトも、ほとんど立ち上げていません。

工程 やったこと 使ったもの
① キーフレーム生成 ヒロインの設定画を作る GPT Image 2
② 動画化 15秒の動画を2本生成 Seedance 2.0
③ 連結 2本を繋いで30秒に ffmpeg
④ BGM合成 自作のオリジナル楽曲を重ねる ffmpeg
⑤ 公開 YouTubeへ自動アップロード Claude Code(API経由)

順番に見ていきます。

まず①。「白×金のSFロケットスーツを着た日本人女性」というヒロインを、GPT Image 2にキーフレームとして描いてもらいました。設定画さえ決まれば、あとはそれを軸に物語が動き出します。

次に②。そのキーフレームをSeedance 2.0に渡して、15秒の動画を2本生成。Seedanceは1本あたり最大15秒なので、30秒の物語にするには2本に分けて作る必要があったわけです。

③で、その2本を「ffmpeg(エフエフエムペグ)」という動画処理ツールで連結しました。ffmpegは動画や音声を結合・変換できる定番ツールで、これもClaude Codeに「2本繋いで」と頼めば実行してくれます。

④では、自作のオリジナルBGMを合成。映像に音楽が乗った瞬間、一気に”作品”の顔つきになります。

そして⑤、完成した動画をClaude CodeからAPI(アプリ同士をプログラムで連携させる窓口)経由でYouTubeに自動アップロード。アップロードのために管理画面を開いてポチポチ……という作業すら、AIに任せられました。

作った作品 — ロケット少女、月へ行く

肝心の中身です。今回作ったのは、こんな30秒の物語。

ロケットを背負った女性が、地上から空へ。やがて大気圏を突き抜けて宇宙へ飛び出し、月面に着陸。そこで日本の国旗、日の丸を立て、青く輝く地球を静かに見上げる——。

文字にすると数行ですが、これが映像になると、想像以上にグッときます。大気圏を抜けるときの光、月面の質感、日の丸がはためく一瞬、そして地球を見上げる後ろ姿。効果音もついているので、ロケットの噴射音や宇宙の静寂が物語を支えてくれます。

調子に乗って、もう1本作りました。こちらは宇宙空間で必殺技(エネルギー波)を放つ派手バージョン。アニメや特撮が好きな方なら思わずニヤリとする、エネルギーが弾ける演出です。”静かな感動系”と”派手なアクション系”、同じヒロインで2つの世界観を出せたのも面白い体験でした。

ブランディングの肝 — ロゴは「貼る」な、「描かせろ」

ここが今回いちばんの学びかもしれません。

私はこのヒロインのスーツに、当社デリシャスノーツの「オレンジの丼」ロゴと「DELICIOUS NOTES INC.」の文字を入れたかった。せっかく作るなら、ちゃんと自社のブランドを背負わせたいですよね。

最初にやったのは、出来上がった画像にロゴを後から貼り付ける(合成する)やり方。画像編集の王道です。ところが……これがいかにも「貼りました」感が出てしまって、まるで馴染まない。スーツは立体的で、光が当たって陰影があるのに、貼ったロゴだけが平面でペタッと浮いてしまう。コラージュ感が拭えないんです。

そこで発想を変えました。本物のロゴ画像そのものをAIに渡して、「これをスーツにプリントして」と指示して生成させたんです。すると、どうでしょう。AIがロゴをスーツの曲面に沿わせ、陰影まで馴染ませて描いてくれた。布のしわや光の当たり方に合わせてロゴが”そこに最初からあった”ように仕上がったんです。

これは大きな気づきでした。AIに何かを作らせるとき、完成品に後から手を加えようとするより、「素材を渡して、最初からそれを含めて描かせる」ほうが圧倒的に自然になる。文字でもロゴでも、「これを使って」と材料を手渡す。この一手間が、プロっぽさを分ける分岐点でした。飲食店で言えば、出来上がった料理に後からソースをかけるのではなく、最初から味を含ませて仕上げる、みたいな話かもしれません。

正直、ここでハマった — リアルな落とし穴

いいことばかり書いても、やってみたレポートになりません。実際につまずいたポイントを正直に共有します。これから試す方の時間を、少しでも節約できれば。

その1:AIの自動審査(モデレーション)に誤検知で弾かれる。 生成AIには「不適切なものを作らせない」ための自動審査機能があります。これ自体は大切な仕組みなのですが、今回はまったく問題のない構図でも何度か弾かれました。明らかな誤検知です。対処法はシンプルで、構図を変えること。ワイド(引き)の画にしたり、後ろ姿にしたりすると、すんなり通りました。正面ドアップが引っかかりやすい印象でした。

その2:「この指示はプリセットに似てます」と提案が割り込む。 Higgsfieldには便利な「プリセット(あらかじめ用意された型)」があります。ありがたい機能ですが、自由に作りたいときに「これ使いません?」と提案が割り込んでくることがある。これは明示的に「通常生成で」と指定することで回避できました。

その3:同時に動かせる生成ジョブは最大8本まで。 効率を上げようと一気に大量の生成を投げると、上限に当たります。8本までという制限を意識して、順番に回すのが現実的でした。

その4:1本あたりの生成は数分かかる。 一瞬で出てくるわけではありません。とはいえ、待っている数分の間に別の作業ができるので、体感のストレスは小さい。クレジット消費も実測しながら進めましたが、「映像1本にこの費用?」と拍子抜けするほどの安さでした。

落とし穴をまとめると、こうなります。

  • 審査で弾かれたら→構図をワイドや後ろ姿に変える
  • プリセット提案が割り込んだら→「通常生成で」と明示する
  • 大量生成したいときは→同時8本の上限を意識する
  • 生成は数分かかる→待ち時間に別作業を回す

どれも「知っていれば怖くない」レベルの話。逆に言えば、知らないと「あれ、出来ないぞ?」と詰まってしまう。やってみたからこそ言える勘所です。

で、出来栄えは? — 「映画予告編」が数分・数百円で

ここが今回の核心です。率直な評価を述べます。

完成した映像は、1080pフルHD・効果音つき・まるで映画の予告編のような質感でした。光の演出、人物の動き、宇宙や月面のスケール感。素人がスマホで撮ったホームビデオとは次元が違う、ちゃんと”作品”の顔をしている。

そして何より、コストと時間です。数年前、こういう映像を作ろうと思ったら、映像制作会社に発注して数十万円・数週間かかったはずです。絵コンテを切って、CGを組んで、何度も修正を重ねて……。それが今、ターミナルで日本語を打ち込んで数分、費用はクレジット換算で数百円相当で出来てしまう。この落差こそが、今回いちばん伝えたい衝撃です。

もちろん、完璧ではありません。細部をよく見ると破綻している箇所はありますし、前述のとおり審査は気難しい。一発で理想どおりとはいきません。でも——SNSのショート動画や、お店のPR動画の“たたき台”としては、もう完全に即戦力です。「こんな雰囲気でいきたい」を、企画段階でサッと映像化して見せられる。この威力は計り知れません。

比較項目 従来(制作会社に発注) 今回(Claude Code × Higgsfield)
費用 数十万円〜 クレジット換算で数百円相当
時間 数週間 数分〜
修正 都度やり取りが必要 その場で何度でも指示し直せる
操作 専門知識が必要 日本語で指示するだけ
仕上がり プロ品質(完成形) 映画予告編級(たたき台〜)

飲食店経営に、これは何を意味するのか

さて、私はAIの専門家である前に、飲食業界に身を置く人間です。この体験を、現場の言葉に翻訳して締めたいと思います。

これまで、お店のPR動画やSNS用のショート動画は「お金と時間をかけて外注するもの」でした。だから多くの飲食店にとって、映像は”ハードルの高い贅沢品”だったと思います。

でも、今回の実験で見えたのは、そのPR動画やショート動画を、お店自身が内製できる時代が現実に来ているということ。新メニューのイメージ映像、季節のキャンペーン告知、お店の世界観を伝えるブランドムービー——これらを、専門スタッフを抱えなくても、思いついたその日に形にできる。これは飲食店の発信力を根底から変える可能性を秘めています。

当社デリシャスノーツが掲げる哲学は「美味しいを科学する」です。これは、勘や根性だけに頼らず、最新のテクノロジーやデータで現場を強くする、という意味を込めています。今回の「AIで映像を内製する」という挑戦は、まさにこの哲学そのもの。私たちはこうして自分たちで実際に手を動かし、つまずき、勘所を掴んで、それをお客様に還元していきたいと考えています。「やってみた」からこそ語れることがある。机上の知識ではなく、現場で使える知恵を、これからもお届けしていきます。

なお、記事の冒頭に表示されている、白×金のロケットスーツをまとったヒロイン。彼女もまた、今回の実験から生まれた一枚です。

完成作品はこちら — ぜひ自分の目で

百聞は一見にしかず。実際に出来上がった2本を、ぜひご覧ください。「これがターミナルから日本語の指示だけで作れたのか」という驚きを、画面越しに感じてもらえると思います。

静かな感動系と、派手なアクション系。同じヒロインで、まったく違う2つの世界。お気に入りはどちらでしたか?

おわりに — 「やってみる」が、いちばんの武器

技術の進歩は、ニュースで読むだけだと「すごいらしいね」で終わってしまいます。でも、自分の手で触れて、つまずいて、出来上がったものを見た瞬間、それは「自分にも使える道具」に変わる。今回、私はそれを心の底から実感しました。

AIで映像が作れる時代は、もう”未来の話”ではありません。今、ここにあります。そして、いちばん大切なのは、完璧な使い方を待つことではなく、まず一歩、やってみることだと思うのです。

デリシャスノーツでは、こうした最新テクノロジーの「やってみた」を、これからも飲食店の現場目線で発信していきます。「うちのお店でもこんな動画を作ってみたい」「AIを活用して発信力を高めたい」——そんな想いが少しでも湧いたら、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に、あなたのお店の”美味しい”を、新しい形で世界に届けていきましょう。

それでは、また次の実験レポートで。次はどんな”やってみた”をお届けできるか、私自身がいちばんワクワクしています。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

是非シェアしてもらえると嬉しいです!
  • URLをコピーしました!
目次