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飲食店のホームページの作り方|6ステップと必須9項目・独自ドメインの決め方

目次

この記事でわかること

  • 飲食店のホームページを、6つのステップで最後まで作り切る手順
  • 飲食店に必要なページ構成と、載せるべき必須コンテンツ9項目
  • 自作・外注・月額型の違い、主要な作成ツールの向き不向き、「一部だけ外注」という第三の道
  • 素人でもマシに撮れる料理写真のコツ7つと、撮っておくべきカットの一覧
  • 独自ドメインの決め方と、それが地図検索・AI検索・そして採用の土台になる理由

先日、あるお客様のお店のホームページを拝見していて、少しだけ胸が痛くなりました。

トップページの「NEW!」というバナーの下に、3年前の忘年会プランが載っていたのです。営業時間は改装前のまま。電話番号は生きていましたが、そこに書かれたメールアドレスは、もう使われていませんでした。

決してサボっていたわけではありません。むしろ逆で、そのオーナーは毎日15時間、厨房に立っている方でした。作ったときは「よし、これで大丈夫」と思ったし、実際その時点では良いページだったのです。ただ、「作ったあと、誰がどのタイミングで何を直すのか」を決めないまま公開してしまった。それだけの話でした。

私は飲食店専門のコンサルティング会社をやっていて、これまで累計1,000店舗以上のウェブ集客に携わってきました。グルメサイトの運用代行も、Googleマップの整備も、写真の撮影も、現場で手を動かしてきました。その中でいちばん多く見てきた失敗が、これです。デザインが悪いお店より、更新が止まっているお店のほうが、圧倒的に多い。

この記事の芯を、先に言っておきます

作り方の話に入る前に、いちばん大事なことをひとつだけ先に言わせてください。

飲食店がホームページを作るいちばんの意味は、「自分の店のドメインを持つこと」です。

ドメインというのは https://あなたの店.com の「あなたの店.com」の部分、つまりインターネット上の住所のことです。ページの見た目やデザインは、あとから何度でも作り替えられます。制作会社だって変えられます。でも、ドメインだけは、一度お客様や検索の世界に覚えられたら、そう簡単には変えられない。 裏を返せば、変えなくていいから、そこにだけは信用が積み上がっていくのです。

グルメサイトの店舗ページは、掲載をやめれば消えます。無料サービスで作ったページも、そのサービスが終われば消えます。積み上げたものごと、きれいに消えます。消えないのは、自分の名義で持っているドメインだけです。

そしていま、地図検索とAI検索という2つの変化のなかで、この「自分のドメインを持っているかどうか」が、お店の情報の信用の基準点になりつつあります。これは、私がこの1〜2年でいちばん強く実感していることです。

長い記事になります。でも、これを読み終わったときには、あなたのお店のホームページを、今日から作り始められる状態になっているはずです。ブックマークして、必要な章だけ開いてください。それでは始めます。


1. そもそも、飲食店にホームページは必要なのか

いきなり反論から入ります。ここを飛ばして「作り方」だけ読んでも、途中で手が止まるからです。

「グルメサイトがあるから要らない」は、半分正しい

正直に言います。グルメサイトだけで十分に回っているお店は、実際にあります。 駅前の居酒屋で、宴会需要がしっかりあって、掲載順位も悪くない。予約は媒体から入る。それで満席なら、慌てて自社サイトを作る理由はありません。

私は、必要のない人に「作りましょう」と言うのが嫌いです。だから、ここは正直に書きます。いま困っていないなら、明日作らなくても死にません。

ただし、その状態には「地面が他人のもの」という前提がある

問題は、その状態が誰かの都合で終わるということです。

掲載料が上がる。仕様が変わって、これまで効いていた見せ方ができなくなる。競合が上のプランに切り替えて、自分の店が下に押し出される。——媒体の上に立っている以上、これは全部、自分では決められません。

そして掲載をやめた瞬間、そのページは消えます。何年もかけて溜めたクチコミも、丁寧に書いた紹介文も、翌月にはもう検索に出てこない。 これを何度も見てきました。悔しいという言葉では足りない場面でした。

一方、自分のドメインで持っているページは残ります。制作会社を変えても、ツールを乗り換えても、店を移転しても、URLは持っていける。同じ努力をするなら、消えないほうに積んだほうがいい。 私が10年以上この仕事をしてきて、いちばん強くそう思うのはこの点です。

媒体は「出会う場所」、自店サイトは「選ばれる場所」

役割で整理すると、もっとはっきりします。

  • グルメサイト=まだあなたの店を知らない人と出会う場所。ここは強い。私も否定しません
  • 自社サイト=名前を知った人が「どんな店だろう」と調べにくる場所。ここで選ばれる

人は、店名を聞いたら必ず検索します。そのとき出てくるのが媒体のページだけだと、「よそと同じフォーマットに並んだ1店舗」にしか見えません。同じ写真の大きさ、同じ項目、同じ星の数。あなたの店だけが持っているものが、そこには出せないのです。

それでも「まだ急がなくていい」お店

こういうお店は、順番を後ろにしても構いません。

  • オープン前で、まだ料理も内装も固まっていない(写真が撮れないので、作っても中身が薄くなる)
  • 1年以内に移転や業態変更の予定がある
  • そもそも新規を増やしたくない(常連だけで満席の名店。実在します)

ただし、ドメインだけは先に取っておいてください。 年に数百円〜数千円です。店名で取れるドメインは、早い者勝ちですから。この判断についてもっと詳しく知りたい方は、飲食店にホームページは本当に必要かのほうにまとめてあります。


2. 全体像 ― 6ステップで作り切る

飲食店のホームページ制作 6ステップ
飲食店のホームページ制作 6ステップ

ここからが本編です。作り方を6つのステップに分けます。 この順番どおりにやれば、迷子になりません。

手順の地図

STEP やること 目安時間 ここで止まる人が多い
1 目的とターゲットを決める 1時間 ★★(決めずに始めてしまう)
2 必要なページと載せる内容を洗い出す 1時間
3 自作か外注かを決める 1日 ★★(比較で止まる)
4 写真と文章を用意する 2〜3日 ★★★(最大の関門)
5 作る・スマホで検品する 1〜3日 ★★
6 公開して、運用する ずっと ★★★(放置される)

先に言います。止まるのはSTEP4とSTEP6です

星の数を見てください。ツール選びで止まる人より、写真と文章で止まる人のほうがずっと多い。 そして公開後に放置されるお店が、いちばん多い。

だからこの記事は、STEP4とSTEP6を厚く書きます。デザインの話は、正直そんなに重要ではありません。素材が良ければ、いまのテンプレートは十分きれいに見えます。 逆に、素材が悪ければ、いくら高いデザインを買っても、おいしそうには見えません。

そこだけ先に頭に入れて、STEP1に進んでください。


3. 【STEP1】目的とターゲットを決める

ホームページ作りでいちばん時間を使うべきなのは、デザインでもツール選びでもありません。「何のために作るのか」を1行で言えるようにすることです。

ここが曖昧なまま作り始めると、何を決めるにも迷います。トップの写真を選ぶときも、メニューを何品載せるかを決めるときも、判断の物差しがないからです。そして人は、物差しがないと「なんとなくオシャレなほう」を選びます。それが、誰にも刺さらないページの作られ方です。

目的は「3つのうちどれか」で選ぶ

飲食店のホームページの目的は、実務上ほぼ次の3つに整理できます。

目的 こういうお店に多い 最優先で作るべきもの
① 予約を取る(手数料を減らす) 客単価が高い、コース中心、宴会・記念日需要がある 予約ボタンと予約導線、コース内容、席・個室の写真
② 指名で選ばれる(比較されて勝つ) 競合が多い立地、専門店、こだわり食材がある こだわり・ストーリー、料理写真、店主の顔
③ 人を採る(採用の受け皿にする) 慢性的に人手が足りない、求人媒体費が重い 採用ページ、働く人の写真、待遇の明示

3つ全部やりたくなる気持ちは、痛いほど分かります。私も昔はそうでした。でも、最初の1年は「1つ目の目的」を7割、残りを3割くらいの配分にしたほうが、結果的に全部うまくいきます。

なぜか。トップページの一番上に置くものが、目的によって変わるからです。①なら「今日の空席」と「予約する」ボタン。②なら息をのむ料理の写真。③なら厨房で笑っているスタッフの顔。同じ店でも、目的が違えば1枚目が変わる。それだけのことなのに、決めていないと永遠に決まりません。

なお、③を選んだ方は、第9章を先に読んでいただいても構いません。 採用の土台の話は、実はドメインの話と直結しています。

ターゲットは「1人」に絞って紙に書く

「30〜50代の男女」みたいな絞り方は、絞っていないのと同じです。おすすめは、実在するお客様を1人思い浮かべて、その人のことを書き出すやり方です。

  • 名前は仮でいい(例:近所の会社の総務課・佐々木さん・48歳)
  • どういうシーンで使うか(部署の送別会・8名・予算5,000円・金曜19時)
  • どうやって店を探すか(スマホで「◯◯駅 個室 居酒屋」と検索)
  • 何が決め手になるか(個室が本当に個室か、遅れて来る人がいても大丈夫か)
  • 何が不安か(写真と実物が違ったらどうしよう、会社から歩けるのか)

ここまで書けると、ページに載せるべきものが自動的に決まります。佐々木さんは「個室が本当に個室か」を気にしているから、個室の写真を、扉を閉めた状態と開けた状態の両方で撮る必要がある。会社から歩けるか不安だから、駅からの道順を写真つきで載せる必要がある。

デザインの話をする前に、載せる内容が決まる。これがターゲットを絞るということです。

コンセプトを1行にする

そのうえで、あなたの店を1行で言い切ってください。 これがトップページの一番上に載る言葉になります。

  • ❌「心を込めた料理でおもてなしいたします」(どの店でも言える)
  • ⭕「毎朝、豊洲で1本ずつ選んだ鮮魚だけを出す、カウンター8席の店です」(この店にしか言えない)

コツは、数字と固有名詞を入れることです。「毎朝」「1本ずつ」「豊洲」「カウンター8席」。この4つが入るだけで、急に手触りが出ます。抽象的な形容詞は全部消して、事実を並べてください。事実は、それだけで強いのです。

決めたことは「1枚メモ」にして手元に置く

私がお客様と最初にやるのは、この5行を埋めることです。紙でもスマホのメモでも構いません。

  1. このホームページの目的は(   )である
  2. 見てほしいのは(   )という人
  3. その人にいちばん見せたい写真は(   )
  4. その人にとってほしい行動は(   )
  5. その行動のボタンは(   )に置く

このメモがあると、途中で「やっぱりこっちのほうがオシャレじゃない?」という話が出たときに、「でも目的から見るとこっちだよね」と戻ってこられます。 迷子にならないための地図です。


4. 【STEP2】必要なページと、載せるコンテンツを洗い出す

飲食店のホームページに必須の9項目
飲食店のホームページに必須の9項目

「飲食店 ホームページ 必要なページ」で検索される方が本当に多いので、結論から書きます。

飲食店に必要なページは、6枚で足ります

# ページ 役割 優先度
1 トップ 3秒で「何の店か・どこにあるか・予約できるか」を伝える 必須
2 メニュー 料理と価格。写真つきで。コースは特に丁寧に 必須
3 店舗情報・アクセス 住所・電話・営業時間・定休日・席数・地図・道順 必須
4 予約 予約手段の一覧と、そこへの導線 必須
5 こだわり・ストーリー なぜこの料理なのか。誰が作っているのか 準必須
6 採用 求人。募集していない時期も「募集していません」と書いて残す 状況次第

これ以上増やす必要は、当面ありません。10ページ、20ページと作りたくなりますが、ページが増えるほど更新の負担が増え、更新が止まり、古い情報が残るという悪循環に入ります。少ないページを新鮮に保つほうが、多いページを腐らせるより100倍いい。

飲食店のホームページ 必須コンテンツ9項目

ページの数ではなく「中身」で見ると、これだけは絶対に外せない、というものが9つあります。作る前にコピーして、チェックリストにしてください。

  • [ ] ① 店のコンセプト(1行+200〜400字) — 何の店で、何にこだわっているのか
  • [ ] ② 外観・内観の写真 — 昼と夜の外観、入口まわり、店内全景、席の種類ごと
  • [ ] ③ メニューと価格 — 税込表記。サービス料・チャージも明記。写真つきで
  • [ ] ④ 営業時間・定休日 — 祝日と年末年始の扱いまで。ランチとディナーで分ける
  • [ ] ⑤ アクセス(Googleマップの埋め込み+道順) — 地図だけでなく、駅からの写真を3〜4枚
  • [ ] ⑥ 予約フォーム・予約導線 — 全ページから1タップで届く場所に
  • [ ] ⑦ スタッフ・店主の紹介 — 顔が見えるだけで、初来店の不安は目に見えて減ります
  • [ ] ⑧ 最新情報・イベント — 臨時休業、季節メニュー、貸切の告知。ここが動いていると「生きている店」に見える
  • [ ] ⑨ 採用情報 — 給与レンジ、シフトの実態、まかない、働く人の写真

⑨の採用情報は、集客の記事だと省かれがちです。でも私は、飲食店のホームページで最も費用対効果が高いページのひとつが採用ページだと本気で思っています。求人媒体に1回出す費用と、このページを整えるコストを比べてみてください。しかも、応募者はほぼ必ず、応募前に店の公式サイトを見に来ます。

そして、その採用の話は第9章のドメインとメールアドレスの話につながります。ページを作るだけでは、採用の土台は半分しか揃いません。 そこは後ほど。

各ページで、これだけは外さないでください

トップページは、上から順に「店名と業態が分かる1行」「一番いい写真」「予約ボタン」「今日やっているかどうか」「地図へのリンク」。この順番です。ページを開くと出てくる凝ったアニメーションや、自動で流れるスライドショーは、正直なところ離脱を増やすだけなので私はおすすめしていません。お客様は作品を見に来たのではなく、今夜の店を決めに来ています。

メニューページで最も多い失敗は、PDFを1枚貼って終わりにすることです。スマホでPDFを開くと文字が小さすぎて、指で拡大しないと読めない。そして拡大した瞬間、多くの人は諦めます。手間でも、テキストと写真でページに直接書いてください。検索エンジンも、そしてこのあと触れるAIも、PDFの中身よりページ上のテキストのほうを正しく読み取ります。

価格は必ず税込で。サービス料やチャージがあるなら、それも書く。ここを濁すと、来店後の不満とクチコミの低評価に直結します。「時価」は、可能なら「時価(目安3,000円〜)」まで踏み込みたいところです。書かないことで守れるものより、書かないことで失うもののほうが大きい。

店舗情報・アクセスは、地味なのに予約の直前にいちばん見られるページです。住所・電話・営業時間・定休日に加えて、席数、個室の有無と定員、喫煙の可否、駐車場、キャッシュレス対応、お子様連れの可否。ここまで書いておくと、電話での問い合わせが目に見えて減ります。営業中の電話が1本減ることが、どれだけありがたいか。現場をやっていた方なら分かるはずです。

地図は埋め込むだけでなく、改札から店の入口までの写真を3〜4枚並べてください。 地下や2階の店なら必須です。「本当にここで合ってる?」という不安を、写真は一瞬で消してくれます。

こだわり・ストーリーのページは、「うちにはそんな大層な話はない」とおっしゃる方が本当に多い。でも、ないということはまずありません。仕入れ先の名前、使っている水、火入れの時間、開業のきっかけ、店名の由来。どれかひとつでいいので、200〜400字で書いてみてください。比較されたときに効くのは、ここです。

逆に「作らなくていいページ」

  • 更新しない「ブログ」(月1本も書けないなら、最初から作らないほうがいい)
  • 中身が3行の「代表挨拶」
  • 答えのない「よくある質問」
  • 「リンク集」

このあたりは、あると逆に「手が回っていない店」という印象を作ります。作らない勇気も、設計のうちです。

5ページで作るなら、この順番で

予算やページ数に上限がある場合、私ならこの順で作ります。

  1. トップ
  2. メニュー(コースとアラカルトを1ページに)
  3. 店舗情報・アクセス(予約情報もここに統合)
  4. こだわり・ストーリー
  5. 採用

予約は独立ページにせず、全ページに追従する予約ボタンと店舗情報ページへの統合で足ります。実際、当社で作る飲食店のホームページ制作・運用のいちばん手軽なプランも5ページ構成ですが、飲食店の場合はこの5枚でほぼ困りません。大事なのはページ数ではなく、その5枚が自分のドメインの上に載っているかどうかです。


5. 【STEP3】自作するか、外注するか

ここで多くの人が長考に入ります。半日で決めてください。決められないまま3ヶ月経つのが、いちばん高くつきます。

3つの方式を、正直に比べます

自作 制作会社に依頼 月額型で制作+運用
初期費用 ほぼ0円(そのぶん時間を払う) 数十万円が一般的 0円のところもある
月々の費用 1,000〜3,000円前後 保守費が別途かかることが多い 月額に込み
独自ドメイン・サーバー 自分で契約・自分で更新管理 別途契約のことが多い 含まれる場合がある
原稿・写真 自分で用意 店側で用意することが多い 代行してくれる場合がある
公開後の更新 自分でやる 都度見積もりが多い 込みのことが多い
デザインの自由度 テンプレの範囲 高い 中くらい
向いている店 時間があり、触るのが好き こだわり抜いた1点物を作りたい 手を動かす時間がない

身も蓋もない結論を書きます。時間はあるが金がないなら自作、金はあるが時間がないなら外注。 これに尽きます。

そして飲食店の場合、「時間がある」という人はほぼいません。 ここは冷静に自分を見てください。仕込みと営業と発注とシフトの合間に、写真を撮って文章を書いてツールを触る時間が、本当にありますか。あるなら自作は最高の選択です。ないなら、無理をしても半年止まります。

主な作成ツールの比較

自作でいく場合の選択肢です。どれも良いツールで、優劣ではなく向き不向きの話です。

ツール 費用感 難易度 独自ドメイン 向いている使い方
WordPress(自分でサーバー契約) 月1,000円前後+テーマ代 高い 自分で触るのが好き。将来ブログや多ページ展開をしたい
Wix 月1,000〜3,000円前後 低い 有料プランで可 ドラッグ操作で作りたい。デザインの自由度が欲しい
ジンドゥー 月1,000〜3,000円前後 低い 有料プランで可 シンプルに早く。管理画面が分かりやすい
グーペ 月1,000〜3,000円前後 低い 有料プランで可 店舗向けの機能がまとまっている
ペライチ 月1,000円前後 最も低い 有料プランで可 1ページ完結。開店直後の仮の受け皿に

※費用はいずれも一般的な目安です。最新の料金と機能は各サービスの公式サイトでご確認ください。

表の「独自ドメイン」の列を、特に見てください。 無料で始められるものほど、独自ドメインが使えないか、使うには結局有料プランが必要になります。ここが分かれ道です。無料プランのまま、店名の入っていないURLで何年も運用してしまうのが、いちばん惜しいパターンです。 理由は第9章と第10章で、しつこく書きます。

「必要なところだけ外注する」という第三の道

全部を自作か、全部を外注か。この二択で考えている方が多いのですが、部分外注という手があります。むしろ、私はこれをいちばんおすすめすることが多いです。

  • 写真だけプロに頼む → 自分で撮って限界を感じたらここ。効果は一番大きい
  • 文章だけ書いてもらう → コンセプトとメニュー説明。ここが書けなくて止まる人が多い
  • 初期設定だけ頼む → ドメイン取得・サーバー・予約システム連携・Google連携。ここは詰まりやすい
  • 公開後の更新だけ頼む → 作るのは自分、続けるのは人に。実は最も現実的

自分の「どこで止まりそうか」を第2章の表で見て、そこだけ人に渡す。これが、いちばん安く早く公開までたどり着く道です。

自作でいちばん多い失敗は「作り終わらないこと」

デザインができない、という話ではありません。いまのツールはテンプレートが優秀で、それなりの見た目にはなります。

止まるのは、決まって「文章」と「写真」です。

トップに載せる100字のキャッチコピーが1週間決まらない。メニュー30品の説明文を書き始めて、10品目で力尽きる。写真を撮りに行こうと思ったまま、繁忙期に入る。——これが、ほとんどの自作プロジェクトが「8割の完成度」で止まる理由です。

ツールが作ってくれるのは器だけ。中身は自分で用意しなければならず、飲食店のオーナーにとって、いちばん時間がないのがその部分なのです。

自作をやめる判断ライン

次のどれかに当てはまったら、素直に人に渡したほうが早いと思います。

  • 着手して1ヶ月以上、公開できていない
  • 予約システムとの連携でつまずいている
  • 独自ドメインやサーバーの設定で手が止まっている
  • 公開したが、スマホで見ると崩れている箇所が直せない
  • セキュリティの更新作業が放置されている(乗っ取り・改ざんの原因になります)

特に最後は、自作で最も見落とされます。WordPressのように自分でサーバーを借りる方式は自由度が高いぶん、更新を放置すると危険です。費用の考え方は飲食店のホームページ制作費用の相場にまとめました。


6. 【STEP4】写真と文章を用意する ― ここが8割

はっきり言います。飲食店のホームページの出来は、8割が写真で決まります。 デザインの良し悪しより、文章のうまさより、写真です。

なぜそこまで写真なのか

お客様は、あなたの料理をまだ食べたことがありません。味を伝える手段が、写真しかない。 しかも比較されるとき、人は文章を読み比べません。サムネイルを並べて、一瞬で選びます。

私が撮影の仕事も手がけているのは、この一点に尽きます。良い写真1枚は、うまい文章10行より強い。逆に、暗くてピントの甘い写真が1枚あるだけで、店全体の印象が下がります。料理には自信があるのに、写真で損をしている店が、本当に多いのです。 あれを見るのが、私はいちばん悔しい。

素人でもマシに撮れる、7つのコツ

プロに頼めるならそれが一番ですが、まずは自分で撮る前提で、明日から効くコツを書きます。

  1. 昼の窓際で撮る。店の照明は消す。 店の照明はオレンジ色が強く、料理が濁って写ります。自然光がいちばん失敗しません。ランチ前の窓際のテーブルが、あなたの店で最強のスタジオです。
  2. 光は「横」か「斜め後ろ」から。 窓を背にして撮る(順光)と、料理がのっぺり平坦に写ります。窓が料理の横、あるいは奥にくる位置に立つと、湯気や照りが立体的に出ます。ここを変えるだけで別物になります。
  3. 反対側に白い紙を立てる。 光と反対の面が真っ黒に沈むので、A4のコピー用紙やおしぼりを立てかける。それだけで影が起きます。レフ板の代わりです。
  4. とにかく寄る。 皿全体を入れようとしない。皿の3分の2で切るくらいが、いちばん食欲をそそります。全体像は別カットで撮ればいい。
  5. 「斜め45度」と「真上」を必ず両方撮る。 丼もの・鍋・寿司桶は真上が強く、高さのある料理・ドリンク・ステーキは斜め45度が強い。両方撮って後で選ぶのが正解です。
  6. 背景を1秒片づける。 端に写り込んだ醤油差し、たたんだ布巾、隣のテーブルの椅子。取り除くだけで写真の質は激変します。うまい人は、撮る前に片づけています。
  7. 縦と横の両方で撮る。 ホームページは横位置、SNSは縦位置が使いやすい。同じ料理で2枚撮っておくと、後が本当にラクです。

もうひとつだけ。熱いものは湯気が立っているうちに、冷たいものは水滴がついているうちに。 出来上がって5分経った料理は、どう撮ってもおいしそうには写りません。撮影日は「撮る係」と「作る係」を分けて、出てきた瞬間に押せる体制にしてください。

撮っておくべきカット一覧(チェックリスト)

「写真が足りない」で止まる店が多すぎるので、先に撮るリストを置いておきます。印刷して厨房に貼ってください。

  • [ ] 看板料理の寄り(斜め45度)
  • [ ] 看板料理の寄り(真上)
  • [ ] コース全体を並べた俯瞰カット
  • [ ] 主要メニュー、最低10品(1品1枚)
  • [ ] ドリンク(生ビール・日本酒・ワインなど、注文の多いもの)
  • [ ] 外観(昼)
  • [ ] 外観(夜・灯りが点いた状態)
  • [ ] 入口まわり(暖簾・扉・看板が分かるもの)
  • [ ] 店内の全体(客がいない状態・照明を点けて)
  • [ ] カウンター席
  • [ ] テーブル席
  • [ ] 個室(扉を開けた状態と、席から見た状態)
  • [ ] 厨房または調理シーン
  • [ ] 店主・料理長の顔(笑顔で、正面と横顔)
  • [ ] スタッフの集合写真(採用ページ用)
  • [ ] 駅からの道順(3〜4枚・曲がり角ごとに)

このリストを埋めれば、ホームページだけでなく、グルメサイトもSNSもGoogleビジネスプロフィールも、しばらく写真に困りません。撮影は「一度にまとめて」がいちばん効率がいい。 半日を1回、腹を括って空けてください。

文章は「書く」より「話して録る」

文章で止まる人へ、実務的な裏技をひとつ。

パソコンの前で書こうとしないでください。 代わりに、スマホの録音アプリを立ち上げて、常連さんに説明するつもりで喋ってください。

「うちの鶏はですね、◯◯県の△△さんのところから週2回来てて、朝〆のやつだけ使ってるんですよ。だから刺身で出せるんです」

——これ、そのまま文章になります。書こうとすると「厳選した食材を」みたいな言葉が出てくるのに、喋ると固有名詞と数字が出てくる。人は、話すときのほうが具体的なのです。 録音して、文字にして、語尾だけ整える。それで十分です。

プロに頼む判断ライン

自分で撮ることをすすめたうえで、次に当てはまるならプロの撮影を検討する価値があると思います。

  • 客単価が5,000円を超える(写真の質が価格の説得力に直結する)
  • 窓のない地下や2階の店(自然光が使えない)
  • コース主体で品数が多い(自分で撮ると半日仕事になる)
  • 開店前・リニューアル直後で、一気に素材を揃えたい

料理写真の撮影は当社でも承っていますが、それ以前に、「撮り直す価値があるかどうか」を先に判断してほしい。 まだ自分で撮ったことがないなら、まず上の7つを試してください。それだけで見違えることは、珍しくありません。


7. 【STEP5】スマホで作り、スマホで検品する

素材が揃ったら、いよいよ組み立てです。ここでの鉄則はひとつだけ。スマホを主、パソコンを従と考えてください。

あなたの店のページは、ほぼスマホで見られている

飲食店を探す行動を思い出してください。会社のパソコンで今夜の店を探す人より、駅で歩きながらスマホで探す人のほうがはるかに多い。当社が運用している店のアクセス状況を見ても、飲食店のサイトはスマホからの閲覧が大半を占めます。パソコンで見るのは、法人の宴会幹事さんや取材の方など、限られた層です。

にもかかわらず、制作の現場ではいまだに「パソコンの大きい画面で見て、きれいだね」で終わってしまうことがあります。確認は必ず、自分のスマホで、店の外の電波で。 これだけで気づくことが山ほどあります。

スマホでやってはいけない5つ

  1. 文字を小さくする — 本文は16px相当を下回らない。老眼のお客様は確実にいます
  2. 横スクロールが発生する — 表や写真がはみ出して、指で横に動かさないと読めない状態
  3. 電話番号を画像にする — タップで電話がかけられない。テキストにしてtel:リンクを付ける
  4. PDFメニューだけ置く — 前述のとおり
  5. 重い動画を自動再生する — 表示が遅れ、通信量も食う。開いた瞬間に音が出るのは論外です

「親指の届く場所」に予約ボタンを置く

スマホは片手で持ちます。指が自然に届くのは画面の下側。だから、画面下部に固定で追従する予約バーが飲食店では鉄板です。「予約する」「電話する」「地図」の3つを横並びにしておけば、どのページを見ていても即行動できます。

ページの一番下までスクロールしないと予約ボタンが出てこないサイトは、それだけで機会を捨てています。人は、そこまでスクロールしません。

表示速度は「3秒」を意識する

写真をたくさん載せたい気持ちと、速く表示したい気持ちはぶつかります。現実的な妥協点は、写真1枚あたり300KB以下です。スマホで撮った写真をそのまま載せると1枚5MBということが起きて、開くのに何秒もかかります。お腹が空いている人は、待ってくれません。

無料の画像圧縮サービスで十分落とせますし、最近のツールなら自動でやってくれるものも多い。公開後、Wi-Fiを切って(モバイル回線で)開いてみて、体感3秒以内に写真が出れば合格ラインです。

公開前の「表示と挙動」チェック

公開ボタンを押す前に、これだけは通してください。

  • [ ] iPhoneとAndroid、両方で開いてみる(借りてでも)
  • [ ] 全ページで横スクロールが出ない
  • [ ] 電話番号をタップして発信画面が出る
  • [ ] 予約ボタンを押して予約画面が開く
  • [ ] テスト予約を1件入れて、台帳に入る(そのあと消す)
  • [ ] 地図をタップして正しい場所が出る
  • [ ] 誤字脱字(特に価格の桁)
  • [ ] 他店の名前やサンプルテキストが残っていない

最後のひとつ、笑い事ではありません。テンプレートのサンプル文が残ったまま公開されている店を、私は何度も見ています。


8. 予約導線の作り方

ここから第12章までは、STEP5とSTEP6のあいだで必ず出てくる4つの論点を、少し深く掘ります。予約導線、独自ドメイン、Googleマップ、デザイン。急いでいる方は、いま自分が詰まっているところだけ読んで、第13章(公開後の運用)に飛んでいただいて構いません。

まずは予約からです。作る目的が「予約を取ること」なら、ここがいちばん実務的に効く章です。

まず、予約の受け口を全部書き出す

多くの店は、気づかないうちに受け口がバラバラになっています。現状を紙に書き出してください。

受け口 手数料 台帳への反映 備考
電話 なし 手書き or 手入力 営業中は取れないことがある
グルメサイト経由 送客手数料がかかる 媒体の管理画面から 集客力は強い
予約管理システム(トレタ/TableCheck など) 月額利用料 自動 自社サイトからの予約も台帳に入る
Googleの予約リンク なし(連携先による) 連携先による 地図から直接予約できる
SNSのDM なし 手入力 抜け漏れが起きやすい

書き出すと、たいてい「手数料が重い」という話になります。ここで大事なのは、グルメサイトをやめる話ではないということです。新規と出会う場所として媒体は強い。ただ、一度来てくれたお客様の2回目以降まで手数料を払い続ける必要はない、という話です。

だから設計はこうなります。新規は媒体からでいい。ただし、店内・レシート・SNS・Googleマップから自社サイトに戻ってきてもらい、2回目からは自社サイトで予約してもらう。 その戻り先が自分のドメインである、というのがこの記事を貫く芯です。媒体のページに戻ってもらっても、それは媒体の資産にしかなりません。

予約システムとの繋ぎ方(手順)

  1. 予約管理システムを1つ決める。 トレタ、TableCheck など飲食店向けのものから選ぶ。既存のグルメサイト台帳との連携可否も確認します
  2. システム側で「ウェブ予約ページ」を発行する。 たいてい専用URLが用意されています
  3. そのURLを、サイトの「予約する」ボタンのリンク先にする。 埋め込み(サイト内でフォームが開く形)に対応しているなら、そのほうが離脱は減ります
  4. 予約ボタンを、全ページの追従バーに置く
  5. 電話番号は必ずtel:リンクに。 「ご予約はお電話でも 03-◯◯◯◯-◯◯◯◯」の数字部分がタップできるか、自分のスマホで確認してください
  6. 予約完了画面と自動返信メールを確認する。 英語のままだったり、他店の名前が入っていたりすることが、実際にあります

予約フォームは、項目を減らすほど予約が増える

これは何度も痛い目を見て学びました。入力欄が1つ増えるごとに、予約は減ります。 最低限、この5つで足ります。

  • 日付・時間
  • 人数
  • 名前
  • 電話番号
  • 要望(アレルギー・記念日・席の希望などを自由記述で)

「ご来店のきっかけ」「メールマガジン希望」は、店側の都合です。どうしても聞きたいなら、来店後のアンケートに回してください。入口で聞くことではありません。

予約が取れているか、必ず数えられるようにする

「作ったけど効果があるのか分からない」というご相談の9割は、測っていないだけです。最低限この3つ。

  • 自社サイト経由の予約件数(予約システムの管理画面で経路が分かるはず)
  • 「電話する」ボタンのタップ数(計測タグを入れれば取れます)
  • 予約ページまでたどり着いた人の数

月に1回、手帳に書く。3ヶ月分並べば、効いているかどうかは自ずと見えます。測らずに「なんとなくダメそう」と判断してしまうのが、いちばんもったいない。集客につながらない理由は飲食店のホームページで集客できない理由に詳しく書きました。


9. 独自ドメインの決め方 ― ここがこの記事の山場です

さて、本題です。ホームページを作るということは、実質「自分のドメインを持つ」ということです。 ここだけは、自作でも外注でも、絶対に手を抜かないでください。

独自ドメインとは何か ― 土地と、借りた一室の違い

https://www.あなたの店.com の「あなたの店.com」の部分が独自ドメインです。年間で数百円〜数千円ほどで取れます(種類によります)。居抜き物件の保証金どころか、月々のおしぼり代より安い。

これに対して、無料のホームページ作成サービスを使うと https://サービス名.com/あなたの店あなたの店.サービス名.com というURLになります。動くには動きます。でもこれは、他人の建物の一室を借りている状態です。家賃がタダな代わりに、いつ「出ていってくれ」と言われても文句が言えない。

独自ドメインは、自分の名義の土地です。上に建てる建物(ホームページ)は建て替えられる。制作会社を変えても、ツールを乗り換えても、土地は残る。ドメインは店の住所と同じで、変えるとお客様が迷子になるもの。裏を返せば、変えないから信用が積み上がるのです。

ドメイン名の決め方・5つのルール

  1. 短く。 口頭で伝えられる長さに。理想は英字10文字前後まで
  2. 店名をローマ字にするのが基本。 ひねらない。「◯◯という店です」と聞いた人が推測できる文字列が最強です
  3. ハイフンは1個まで。 ゼロが理想。多いと電話で伝えるときに事故ります
  4. 紛らわしい文字を避ける。 l(エル)と1(イチ)、o(オー)と0(ゼロ)が並ぶ組み合わせは避ける
  5. 拡張子は.com.jp 迷ったら.com。国内の店であることを出したいなら.jp.tokyo.restaurantのような新しいものは覚えてもらいにくいので、私は積極的にはすすめません

名義は必ず「お店」で。ここで泣いた人を何人も見ました

ドメインは、必ずお店(または会社)名義で取得してください。

制作会社の名義で取られていて、契約を切ろうとしたらドメインごと使えなくなった。——この相談を、私はこれまで何度受けたか分かりません。積み上げた検索の評価も、名刺に刷ったURLも、看板のQRコードも、全部やり直しです。

防ぐのは簡単です。契約前に「ドメインの名義は誰になりますか」と一言聞くだけ。それだけで防げます。当社が飲食店のホームページ制作・運用でお預かりする場合も、独自ドメインはお店様の資産として取得・運用しています。

独自ドメインのメールアドレスは、採用の土台になる

ここが、私がこの記事でいちばん伝えたい話です。

ドメインを決めるとき、多くの方は「サイトのURL」としてしか考えていません。でも実際には、同時に、これから何年も使うメールアドレスを決めているのです。

ドメインを取ると、info@あなたの店.comsaito@あなたの店.com といった、自店ドメインのメールアドレスが使えるようになります(Google Workspace などのメールサービスを別途契約する形になり、こちらには別途費用がかかります)。

そのうえで、少し厳しいことを書きます。

従業員や社員に、フリーメールのアドレスしか渡せない会社に、いまの若い世代の子たちが「ここで働きたい」と思うでしょうか。

飲食店を軸にした「会社」を作っていこうと思っているのであれば、取引業者だけでなく、銀行に対しても、そしてこれからあなたの店を手伝いたいと思って入ってくる新入社員や、未来のスタッフたちに対しても——ちゃんとしたホームページがあり、店オリジナルの独自ドメインを使ったメールアドレスを一人ひとりに渡せる。そこまで揃って、初めて採用の土台に立てると私は考えています。

誤解のないように書き添えます。フリーメールを使っている店を悪く言うつもりは1ミリもありません。開業直後は誰でもそうですし、私自身もそうでした。ただ、人を雇う段階に入ったら、ここは早めに越えておいたほうがいい線だということです。

想像してみてください。求人票の連絡先がフリーメールだったとき、応募者は何を感じるか。面接の日程調整のメールがフリーメールから届いたとき、そのご家族は何と言うか。同じことは、取引先にも、融資をお願いする金融機関にも言えます。メールアドレスは、名刺より先に相手の目に入る、いちばん安い信用の証明書です。

第4章で「採用ページを作りましょう」と書きました。あれは半分です。ページを作り、そのドメインのメールを渡せる。両方揃って、ようやく土台。 ここが繋がると、ドメインの話が急に自分ごとになるはずです。

だから、ドメインは「メールにしたとき」で選ぶ

以上を踏まえると、決め方に基準がひとつ増えます。そのドメインを saito@◯◯.com の形にしたとき、自然かどうか。

  • 口に出して読み上げられるか。 電話で「サイトウ アット ◯◯◯ ドット コムです」と言って、相手が一発で書き取れるか
  • スペルを口頭で伝えられるか。 一文字ずつ言う羽目になる長さなら、長すぎます
  • 名刺に印刷したとき、詰まって見えないか
  • 将来の多店舗展開に耐えるか。 1号店の店名をそのままドメインにすると、2号店や新業態を出したときに困ることがあります。会社としてやっていくつもりなら、屋号より会社の名前で取るほうが長持ちします

ここまで考えて決めれば、10年使えるドメインになります。逆に、5分で決めると10年後悔します。 私が「山場」と書いた理由は、これです。


10. なぜ独自ドメインが地図検索とAI検索で効くのか

独自ドメインが地図検索とAI検索に効く理由
独自ドメインが地図検索とAI検索に効く理由

前章が「持つべき理由」なら、この章は「いま、なぜ以前より重要になったのか」の話です。ここ数年で、検索の周りの景色ははっきり変わりました。専門用語はその都度、噛み砕いて書きます。

地図検索(MEO)― 「正解はここ」という基準点になる

まず地図のほうです。Googleマップで店を探す人が増えたので、この対策はMEO(地図検索での対策、という意味で使われる言葉です)と呼ばれます。

飲食店の情報は、いま何十もの場所に散らばっています。グルメサイトA、グルメサイトB、地図、SNS、まとめサイト。そこに書かれた営業時間が微妙に違っているとき、どれを信じればいいのか。人間でも迷いますし、機械はもっと迷います。

ここで、お店自身のドメインに正しい情報が書いてあれば、それが「正解はここ」という基準点になります。散らばった情報を突き合わせるときの、物差しになるわけです。

Googleビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄に何を入れるかが効いてくるのは、まさにここです。

  • 自店ドメインを入れている場合 — 「この店が公式に出している情報はここです」という宣言になる。地図の情報とその先のサイトが繋がり、店舗情報の出どころが自分の手の中にある状態になります
  • グルメサイトのページURLを入れている場合 — 公式の情報源が他社のページということになる。そのページの内容も、掲載の可否も、決めるのは媒体側です

そして決定的なのは、媒体のページは媒体のものだということ。掲載をやめれば消えます。自店のドメインは残ります。この差が、3年、5年と経つほど開いていきます。

AI検索(AIO)― 「出どころ」として扱われやすくなる

次に、いま急速に変わっているほうの話です。検索したときに、リンクの一覧ではなくAIが文章で答えを書く場面が増えました。この流れへの備えをAIO(AI検索を意識した情報の整え方、という意味で使われるようになった言葉です)と呼ぶことがあります。

AIが「◯◯駅の△△という店、何時までやってる?」と聞かれて答えを書くとき、どこから情報を取ってくるか。ここで効くのが一次情報という考え方です。難しい言葉ですが、意味は単純です。「その情報を最初に出した本人が書いたものかどうか」。

  • 店自身が、自分のドメインで書いた営業時間 → 本人が書いたもの=一次情報
  • グルメサイトやまとめサイトに載っている営業時間 → どこかから写した情報=二次情報

しかも飲食店の場合、同じ店舗情報が何十もの媒体に重複して存在します。掲載先が増えるほど、「で、出どころはどこなの?」が分からなくなる。AIにとって、出どころのはっきりしない情報は、答えとして書きにくいのです。

逆に言えば、あなたの店のドメインに、営業時間もコース内容も定休日も正しく書いてある。それだけで、AIが答えを書くときに参照しやすい形になります。

コース料金を古い金額で答えられてしまう。定休日を間違えて案内されてしまう。実際に起きているこうした事故は、突き詰めれば「正しい情報が置かれた、公式の場所がない」ことが原因であることが多いのです。そしてこれは、あなたの店の前まで来て帰ってしまうお客様を、静かに作り続けます。

プラットフォームの側が「自分のドメインを持て」と言い始めている

これは私自身が最近の動きを見ていて、はっきり潮目が変わったと感じている点です。

Google自身が、ビジネスプロフィールの内容を充実させていく流れのなかで、事業者に対して独自ドメインの取得や、そのドメインでのメールアドレス(Google Workspace)の利用を勧めるようになってきています。

これは、なかなかの意味を持つ変化だと思っています。「媒体に載せておけばいい」という時代から、「自分のドメインを持って、そこを公式の窓口にしてください」と、プラットフォームの側が言い始めている。 私がこの記事で書いてきたことの、いちばん強い裏づけだと受け取っています。

サイトの住所も、メールの住所も、自分のドメインで揃える。それが、これからの標準になっていくのだろうと思います。

ただし、「順位が上がる」とは言えません

ここは正確に書きます。独自ドメインを持てば検索順位が上がる、とは言えません。 Googleは順位の決め方を公表していませんし、そう言い切る人がいたら、私はその根拠を疑います。

言えるのは、こういうことです。

  • 独自ドメインは、店の情報の出どころとして扱われやすくなる
  • 各所に散らばった情報を突き合わせるときの、信用の基準点になる
  • 媒体をやめても消えずに残り、積み上がる

順位は誰にも約束できません。でも、基準点を持っていない状態から、持っている状態に変えることはできます。しかも今日、数千円で。やらない理由が、私には思いつきません。


11. Googleビジネスプロフィールとの連携

ビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄
ビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄

ホームページと同じくらい、いや店によってはそれ以上に効くのが、Googleマップに出てくる店舗情報(Googleビジネスプロフィール)です。「◯◯駅 ランチ」で検索したとき、いちばん上に出てくるのは地図です。 ここを整えずにサイトだけ作るのは、片足で走るようなものです。

まず、情報の「完全一致」

地味ですが、効果はいちばん確実です。店名・住所・電話番号を、ホームページとGoogleビジネスプロフィールで一字一句そろえてください。

  • 「株式会社」の有無
  • 丁目・番地の表記(例:銀座6-13-9 と 銀座六丁目13番9号)
  • ビル名の有無、階数の書き方(8F と 8階)
  • 電話番号のハイフンの位置

細かい話に見えますよね。でも、複数の場所に書かれた情報が一致しているかどうかで「この店は実在して、情報が信頼できる」と判断されていると考えられています。表記がバラバラだと、別の店だと見なされてしまう可能性がある。 グルメサイトの掲載情報も含めて、全部そろえる。ここは1日かければ終わります。

「ウェブサイト」欄には、自店ドメインのURLを

管理画面の「ウェブサイト」欄。ここに自店の独自ドメインのURLを入れてください。

グルメサイトのURLを入れている店を時々見かけます。動くには動きますが、前章のとおり、「このお店の公式情報はここです」という宣言の場所を、他社に譲ってしまっていることになります。もったいない。

あわせて、次も設定を。

  • 予約リンク(予約システムと連携できるなら、地図から直接予約できるように)
  • メニューのURL(自社サイトのメニューページを指定)
  • 営業時間(祝日・年末年始の特別営業時間も忘れずに)
  • 写真(第6章で撮ったものをここにも。外観・内観・料理・メニューの4カテゴリ)

サイト側にも「機械が読める形」で書く

Googleビジネスプロフィール側だけでなく、ホームページ側にも、住所・電話・営業時間を画像ではなくテキストで書いてください。おしゃれにしようとして店舗情報を画像1枚にまとめてしまう例がありますが、それだと検索する側にもAIにも中身が読めません。人間に見せる情報であると同時に、機械に読ませる情報でもある、という二重の意識を持ってください。

クチコミの返信は、続けている店が勝ちます

地味ですが、続ける価値があります。返信のある店とない店では、読む側の印象が明らかに違う。それに、返信文のなかに自然に料理名や席の話が入ることで、店の情報そのものが厚くなります。

星の低いクチコミにこそ、丁寧に返す。読んでいるのは投稿者本人だけではありません。これから予約しようとしている、まだ見ぬお客様が読んでいます。


12. 人気店のデザインから、盗めること

当社制作事例:WAGYU UTOKA(港区・白金/和牛ダイニング)
当社制作事例:WAGYU UTOKA(港区・白金/和牛ダイニング)
当社制作事例:京都伏見稲荷 OICYビレッジ
当社制作事例:京都伏見稲荷 OICYビレッジ

「参考になるサイトを見せてください」と言われることが多いので、何を見ればいいのかを書きます。デザインを真似るのではなく、考え方を盗んでください。

写真の使い方 ― 1枚目で勝負がつく

流行っている店のサイトを開いてみてください。画面いっぱいに、1枚だけ、圧倒的に良い写真が置かれているはずです。3枚も4枚も並べていません。

これが答えです。一番いい写真を1枚選ぶ勇気が、いちばん難しく、いちばん効きます。全部見せたい気持ちを抑えて、看板料理の寄りを1枚。それだけで、店の格が上がって見えます。

動画と演出 ― 使うなら「音なし・軽く・短く」

動画を入れたい気持ちは分かります。効果もあります。ただし条件つきです。

  • 音は出さない(勝手に音が鳴るのは、いまや嫌われる代表格です)
  • 短く(5〜10秒のループで十分。長い映像は誰も最後まで見ません)
  • 軽く(重いと表示が遅れ、動画を見る前に離脱されます)

内容は、手が動いているところがいちばん強い。炭火で炙る、鍋から湯気が上がる、包丁が入る。料理そのものより「作っている動き」のほうが、人は見てしまいます。

多言語対応とインバウンド

観光地や都心の店なら、検討する価値があります。ただ、いきなり全ページを翻訳する必要はありません。 優先順位はこうです。

  1. メニューと価格(これがないと入店を諦められます)
  2. アクセスと営業時間
  3. 予約の方法(海外からの電話は繋がりにくいので、フォームがあると強い)
  4. アレルギー・宗教上の対応可否(書いてあるだけで選ばれる理由になります)

自動翻訳に頼るときは、料理名だけは必ず人の目で確認してください。 郷土料理や調理法は、機械翻訳が不思議な訳になりがちです。「親子丼」が意味不明な英語になっている例を、私は何度も見ました。

やりすぎると逆効果になる演出

最後に、やらないほうがいいことも書いておきます。

  • 開くと数秒待たされるオープニング演出
  • スクロールするたびに要素がふわふわ動く(酔います)
  • 背景で音楽が鳴る
  • 文字の上に写真が重なって読みにくい

いずれも「かっこいい」を狙った結果、お客様が知りたい情報にたどり着けなくなるパターンです。飲食店のサイトは作品ではありません。今夜の店を探している人のための、道具です。


13. 【STEP6】公開してからが本番

冒頭の「3年前の忘年会プラン」に戻ります。ホームページは、公開した日が完成日ではありません。公開した日が、あなたのドメインに信用を積み始める初日です。

公開直後にやる10項目チェックリスト

公開ボタンを押したら、必ずこれを自分のスマホで。

  • [ ] スマホで開いて、3秒以内に写真が表示される
  • [ ] 電話番号をタップして、発信画面が出る
  • [ ] 予約ボタンから、予約画面が正しく開く
  • [ ] テスト予約を1件入れて、台帳に入る(そのあと消す)
  • [ ] 営業時間・定休日が、いまの実態と合っている
  • [ ] 地図をタップして、正しい場所が出る
  • [ ] 全ページで横スクロールが発生していない
  • [ ] Googleビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄を、自店ドメインに変更した
  • [ ] グルメサイト各社の掲載情報のURL欄も、自店ドメインに更新した
  • [ ] SNSのプロフィール欄のリンクも、自店ドメインに更新した

最後の3つ、忘れる方が本当に多い。 せっかく自分のドメインを持っても、入口から繋がっていなければ誰も辿り着けません。作った日に、この3つだけは必ずやってください。

更新は「頻度」を先に決めてしまう

「気づいたときに更新する」は、更新しないのと同じです。カレンダーに入れてください。私がお客様におすすめしているのは、この3つのサイクルです。

  • 毎月1日:今月の営業日・臨時休業・イベントを確認して直す(5分)
  • 3ヶ月に1回:メニューと価格が実態と合っているか確認する(30分)
  • 年に1回:写真を撮り直す。季節の看板メニューだけでも入れ替える(半日)

これだけです。この3つを回している店と回していない店では、1年後に驚くほど差がつきます。特に価格改定したのにサイトが古いままは、来店後のトラブルに直結しますし、第10章のとおりAIに古い金額を答えられる原因にもなります。価格を変えた日に、必ず直す。 これだけは今日から決めてください。

セキュリティとバックアップ ― 地味ですが、ここで泣く人がいます

これは飲食店のオーナーにいちばん伝わりにくく、そして起きたときにいちばん痛い話です。

ホームページは、放っておくと乗っ取られたり、改ざんされたりします。ある日突然、見知らぬ広告や外国語のページが自分のサイトに増える。ひどい場合は、開いた人のパソコンに悪いものを送りつける踏み台にされる。そうなると、店の信用の問題になります。

最低限、これをやってください。

  • [ ] 管理画面のパスワードを、使い回さない(他のサービスと同じものは論外です)
  • [ ] ログインに2段階認証をかける(スマホに確認コードが届くやつです)
  • [ ] WordPress等を使うなら、本体・テーマ・プラグインを月1回更新する
  • [ ] バックアップを自動で取る設定にする(週1回、最低でも月1回)
  • [ ] バックアップが「外から誰でもダウンロードできる場所」に置かれていないか確認する
  • [ ] 辞めたスタッフのアカウントを、その日のうちに消す

自作の場合、ここは全部自分の仕事になります。外注する場合は、「セキュリティ対策とバックアップは含まれますか」と必ず聞いてください。含まれない契約は、実際にあります。

SNSとの連携 ― 役割を分ける

サイトとSNSは、役割が違います。混ぜると、どちらも中途半端になります。

  • SNS=日々の空気を出す場所。今日の仕入れ、まかない、スタッフの様子。鮮度が命
  • ホームページ=正しい情報が置いてある場所。営業時間、価格、予約。正確さが命

やることは2つだけ。SNSのプロフィール欄に自店サイトのURLを置くこと。そしてサイト側にSNSのアイコンを置くこと。この往復ができていれば十分です。SNSを毎日更新できなくても、罪悪感を持つ必要はありません。続かない更新より、正しい情報のほうが大事です。

検索から入ってくる導線を、少しずつ育てる

すぐに順位を上げる魔法はありません。ただ、やっておくと後で効くことはあります。

  • ページのタイトルに、地名と業態を入れる(「◯◯(店名)|△△駅の炭火焼鳥」のように)
  • 各ページに、そのページ専用の説明文を書く(全ページ同じ文章になっている店が多い)
  • 「最新情報」を月1本でいいので更新する(動いている店だと分かります)
  • お客様が実際に使う言葉で書く(「接待」「デート」「women’s会」など、検索する人の言葉で)

これらは全部、第9章のドメインの上に積まれていきます。 だから、ドメインを途中で変えないでください。積み直しになります。

見る数字は3つでいい

分析ツールを入れると数字が山ほど出てきて、たいていの人はそこで嫌になります。飲食店なら3つで足ります。

  1. 月間の訪問者数(増えているか、減っているか)
  2. 予約ボタン・電話ボタンが押された数(サイトが仕事をしているか)
  3. どのページが見られているか(メニューが1位なら健全。トップだけで離脱なら要改善)

月に1度メモして、半年並べる。それだけで、次に直すところが見えてきます。数字は増やすために見るのではなく、判断するために見るものです。


14. 費用の話と、当社がやっていること

いくらかかるのか

ざっくりした相場を書いておきます。

  • 自作:ツール代 月1,000〜3,000円前後+ドメイン代 年に数百円〜数千円。あとは自分の時間
  • 制作会社に依頼:初期に数十万円が一般的。別途、月々の保守費用がかかることが多い
  • 月額型(制作+運用):初期0円のところもある。月々に全部込み

詳しくは飲食店のホームページ制作費用の相場にまとめました。

当社の飲食店のホームページ制作・運用

当社では、飲食店のホームページ制作・運用を月額型で承っています。制作費を月額に含める形にしているので初期費用は0円、いちばん手軽なライトプランで月額29,800円(税込)。〜5ページのテンプレート型で、スマホ最適化、予約導線(トレタ/TableCheck/Googleの予約)の設定、そして独自ドメインとサーバー費用まで含まれています。 ドメインはお店様の資産として取得します。

このプランに独自ドメインとサーバーを最初から込みにしているのは、値引きの都合ではありません。そこが本体だと考えているからです。 デザインは何度でも作り替えられますが、ドメインは最初に押さえておかないと、あとから取り返しがつかない。だから、必ず取る形にしています。

ひとつ、はっきりお伝えしておきます。初期費用0円のため、最低契約期間は24ヶ月です。 制作費を24ヶ月かけて回収する設計だからです。ここは事前にご理解いただいたうえでご検討ください。

なお、第9章で書いた自店ドメインのメールアドレス(Google Workspace など)はメールサービス側の契約になるため、別途費用です。プランに含まれるのはドメインとサーバーであり、メールの運用ソフトそのものは別、という整理でご理解ください。設定のお手伝いはできますので、ご相談ください。

それでも、まずは自分でやってみてほしい

サービスの案内としては不出来かもしれませんが、本音を書きます。この記事のSTEP1からSTEP4までは、外注するにせよしないにせよ、店の側でしかできません。

目的を決めるのも、ターゲットを1人思い浮かべるのも、こだわりを言葉にするのも、店の空気が分かっている人にしかできない仕事です。写真も、まず自分で撮ってみてください。撮ってみて「これは無理だ」と思ったら、そこで初めてプロに頼めばいい。

その順番で相談していただけると、私たちも本当に良いものを作れます。 丸投げで作ったサイトは、だいたい丸投げの顔をしています。それは、私たちが作りたいものではありません。


15. よくある質問

Q. ホームページとグルメサイト、どちらを優先すべきですか

役割が違うものと考えてください。グルメサイトは「まだ知らない人」と出会う場所、ホームページは「名前を知って調べにきた人」を来店に変える場所です。決定的な違いをひとつ挙げるなら、媒体のページは掲載をやめれば消え、自店ドメインは残ること。両方あって、情報が一致している状態がいちばん強いです。

Q. 何ページくらいから始めればいいですか

5ページで十分です。トップ、メニュー、店舗情報・アクセス、こだわり、採用。この5枚が新鮮に保たれているほうが、20ページあって半分が古い状態よりずっといい印象になります。ページ数より、それが自分のドメインの上に載っているかどうかのほうが大事です。

Q. すでにグルメサイトのページがあります。独自ドメインは要りますか

判断は店次第ですが、私は取ることをおすすめしています。理由は第10章のとおり、媒体のページは媒体の資産、自店ドメインは店の資産だからです。加えて、人を雇う段階に入っているなら、第9章のメールアドレスの話もあわせてご検討ください。

Q. 写真がまったくありません。どうすればいいですか

第6章のチェックリストを持って、営業前の明るい時間に1回だけ撮影日を作ってください。半日あれば主要なカットは撮れます。難しければ、プロの撮影を単発で依頼する手もあります。写真がないことを理由に公開を先延ばしするのが、いちばんもったいない。

Q. 作ったあと、自分で更新できますか

ツールによります。自作系のサービスは、営業時間の変更くらいなら管理画面から数分でできるものがほとんどです。外注する場合は、契約前に「営業時間の変更は自分でできますか」「更新は何営業日で反映されますか」の2つを必ず確認してください。ここを聞かずに契約すると、臨時休業ひとつ出すのに何日もかかる、ということが起こります。

Q. どのくらいで効果が出ますか

正直に書きます。検索やGoogleマップでの露出は、数ヶ月かけて少しずつ育つもので、公開した翌週に予約が増える性質のものではありません。一方、予約導線の分かりやすさや、営業時間が正しいことによる取りこぼしの減少は、公開直後から効いてきます。すぐ効くものと、時間がかかるものを分けて期待するのが、疲れないコツです。


16. まとめ

今日からできる3つのこと

長い記事になりました。最後に3つだけ。今日、これだけやってみてください。

  1. 自分の店の名前でドメインが空いているか、調べる。 検索すれば空き状況はすぐ分かります。saito@◯◯.com の形にして、声に出して読んでみてください。しっくりくるなら、それが答えです
  2. Googleビジネスプロフィールの「ウェブサイト」欄に、何が入っているか見る。 媒体のURLが入っていたら、それが今日いちばんに変えるべきところです
  3. 明日のランチ前、窓際で看板料理を1枚撮る。 照明を消して、白い紙を立てて、皿の3分の2に寄って。それが、新しいホームページの1枚目になります

最後に

ホームページは、24時間働いてくれる、いちばん静かなスタッフです。文句も言わず、休みも取らず、真夜中に「ここ、明日やってるかな」と検索した人に、正確に答えてくれます。

ただし、教えたことしか答えられません。古い情報を教えたままにしておけば、古い情報を、24時間ずっと答え続けます。

そしてもうひとつ。そのスタッフが立っている場所は、あなたの土地でしょうか。それとも、借りた一室でしょうか。

デザインは何度でも作り替えられます。でも住所は、積み上げるものです。ドメインを取るのは今日でもできて、数千円で済む。それなのに、5年後・10年後にいちばん効いてくる。 これが、私が「山場」と書いた理由です。

あなたが毎日15時間かけて作っているものは、間違いなく本物です。あとは、それがちゃんと伝わる場所を、自分の名義で持つだけ。

さあ、まずはドメインを調べるところから。今日はそこまでで十分です。


㈱デリシャスノーツでは、飲食店専門のウェブ集客支援として、飲食店のホームページ制作・運用を承っています。「いまのページを見て、どこから直すべきか教えてほしい」「うちのドメイン、これで大丈夫か見てほしい」というご相談だけでも歓迎です。無料でご診断のうえ、優先順位をご提案します。

ご相談はお問い合わせフォームよりお寄せください。

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