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食の知って得する豆知識わさび編

目次

はじめに

わさびは日本の伝統的な調味料であり、その風味と辛味が特に寿司や蕎麦などの料理に欠かせません。わさびには多くの種類があり、それぞれの特徴や料理との相性が異なります。今回、わさびの種類や料理に合う使い方について詳しく解説し、「真妻わさび」と「実生わさび」という代表的な品種に焦点を当て、さらに寿司や蕎麦といった料理にどのように使用するかを掘り下げて紹介します。

わさびについて

わさびの歴史と魅力

まず、わさびの歴史を少しご紹介します。わさびは日本原産の植物で、古くから薬草や調味料として使われてきました。特に日本食文化において、わさびは生魚を食べる際の抗菌作用や風味を引き立てる役割を果たしてきました。寿司や刺身にわさびを添えるのは、単なる辛味だけではなく、生の魚を安全に美味しく食べるための知恵でもあります。

現在では、わさびの種類や栽培方法も多様化しており、真妻わさびや実生わさびといった特定の品種が料理の味を一段と引き立てるために使われています。それぞれのわさびが持つ特徴を知ることで、料理の楽しみがさらに広がるでしょう。

わさびの種類と特徴

わさびには大きく分けて、栽培された「畑わさび」と、天然の水源の近くで育つ「本わさび」があります。さらに、その中でも品種によって風味や辛味が異なるため、使用する料理に応じて選ぶことが大切です。今回は代表的な品種である「真妻わさび」と「実生わさび」を中心に、その特徴を詳しく見ていきます。

真妻わさび

真妻(まづま)わさびは、日本国内で最も有名で高品質とされるわさびの一つです。和歌山県や長野県などが主な生産地で、特に和歌山県の真妻地域で栽培されることからこの名前が付けられました。真妻わさびの特徴は、強い香りと豊かな甘味、そして口の中で広がる滑らかな辛味です。その辛味は単に刺すようなものではなく、食材の味を引き立てながらもしっかりと主張します。

真妻わさびは、特に寿司や刺身に合うわさびとして知られています。その理由は、豊かな風味と辛味が新鮮な魚の旨味を最大限に引き出してくれるからです。わさびを適度にすりおろし、握り寿司の上に添えることで、魚の脂とわさびの辛味が絶妙に調和し、口の中で豊かな味わいが広がります。

また、真妻わさびはその香り高さから、少量でも十分に料理の風味を引き立てます。これは特に高級な寿司屋で重宝される理由の一つです。新鮮な魚とわさびの風味が織りなすバランスは、日本食の奥深さを感じさせてくれます。

実生わさび

実生(みしょう)わさびは、種から育てられた本わさびを指し、自然の環境でゆっくりと時間をかけて育てられます。そのため、栽培に時間と手間がかかり、流通量も限られていますが、その味は非常に上質で、わさびの中でも特に珍重されています。実生わさびの特徴は、非常に繊細な風味と上品な辛味です。辛味が口の中で長く続くというよりも、スッと消えていく爽やかさがあり、余韻を楽しむことができます。

実生わさびは、蕎麦との相性が抜群です。蕎麦の淡白で繊細な風味を損なうことなく、実生わさびの持つ爽やかな辛味が口の中で優しく広がり、蕎麦の味わいを引き立てます。特に、手打ち蕎麦や高級蕎麦店では、この実生わさびを使って食事を提供することが多く、蕎麦の香りとわさびの香りが見事に融合します。

蕎麦とわさびの組み合わせにおいては、わさびを直接蕎麦にのせるか、蕎麦つゆに溶かしながら食べる方法が一般的です。実生わさびの繊細な辛味がつゆに加わることで、つゆの甘味や塩味がさらに引き立ち、食事全体のバランスが取れます。

わさびと料理の相性

ここでは、具体的にわさびがどのような料理に適しているかを見ていきましょう。わさびの風味や辛味が異なるため、料理との相性も異なります。

寿司とわさび

寿司には真妻わさびが最適です。特に新鮮な魚との相性が良く、魚の脂や甘味を引き立てるため、わさびの風味が重要な役割を果たします。握り寿司にわさびを添える際には、すりおろしたわさびを少量魚の下に忍ばせるか、寿司の上に直接のせるのが一般的です。また、わさび醤油を作って魚を漬け込むスタイルもありますが、この場合も真妻わさびの風味が料理を引き立てます。

さらに、高級寿司店ではわさびのすり方にもこだわりがあります。鮮度の高い真妻わさびを、サメ皮おろし器で丁寧にすりおろすことで、滑らかで芳醇なわさびが出来上がります。このわさびが寿司に添えられることで、風味がさらに引き立ちます。

蕎麦とわさび

蕎麦には実生わさびがベストな選択です。蕎麦の香りや食感を損なうことなく、上品な辛味が蕎麦の風味を引き立てます。わさびは、蕎麦つゆに直接加えたり、蕎麦そのものに少し添えて楽しむことが多いです。特に冷たいざる蕎麦やせいろ蕎麦では、わさびの爽やかな風味が際立ち、蕎麦との相性がより一層良くなります。

また、温かい蕎麦にわさびを添えることで、わさびの香りと辛味がつゆの温度によって少し抑えられ、柔らかい辛味が楽しめます。このように、わさびは蕎麦の味わいをさらに深めるために欠かせない調味料です。

天ぷらとわさび

意外かもしれませんが、天ぷらにもわさびはよく合います。特に、海老や野菜の天ぷらには真妻わさびが使われることが多いです。天ぷらのサクサクとした食感と、わさびのピリッとした辛味が絶妙にマッチし、食事のアクセントになります。天つゆにわさびを加えて食べることで、通常の天ぷらとは違った爽やかさが楽しめます。

わさびを楽しむためのポイント

最後に、わさびをより楽しむためのポイントをいくつか紹介します。

  1. 鮮度が命:わさびはすりおろしてから時間が経つと風味が落ちてしまいます。そのため、食べる直前にすりおろすのが理想です。特に寿司や蕎麦の場合は、その場でわさびをすりおろして提供されると、最大限にその風味を楽しむことができます。
    とはいえ本わさびがコンビニやスーパーなどでは気軽に買えるものでもないので、市場に出向いたり八百屋さんに仕入れてもらったりして購入するのが良いでしょう。
    私も、築地場外市場にあります「築地くしや」さんでよく購入します。
  2. すり方にこだわる:サメ皮のおろし器、本わさび専用おろし板「鋼鮫」

を使って丁寧にすりおろすことで、わさびの滑らかさと風味が引き立ちます。粗くすりおろすと辛味が強調され、細かくすりおろすと甘味や香りが引き立つため、料理に合わせてすり方を工夫することも大切です。

筆者であります私も使っている本わさび専用おろし板。その名も鋼鮫(はがねざめ)
2018年にグッドデザイン賞を受賞し、よく見ると「わさび」の文字が彫られていてカッコイイ。
「わ」「さ」「び」の文字の空き部分がそれぞれ縁を描きながら別の方向を向いているため、円形にすりおろすことで、空気を含んでよりクリーミー間味わいと、辛み・風味を出すことが可能になるおろし板。
試行錯誤を繰り返したどり着いたのがこのわさびデザイン。

  1. 量は適量を:わさびは少量で強い風味を発揮します。特に真妻わさびや実生わさびは高品質なため、少しの量でも十分に味わいを楽しむことができます。料理の味を引き立てる程度に使用するのがポイントです。

まとめ

わさびは単なる辛味料ではなく、料理の味わいを深める大切な調味料です。真妻わさびは寿司や刺身などの新鮮な魚料理と相性が良く、実生わさびは蕎麦などの繊細な味の料理に最適です。それぞれのわさびの特徴を知り、料理に合わせて使い分けることで、食事の楽しみがさらに広がるでしょう。

わさびの奥深い世界を理解し、日常の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。わさびの風味が料理に与える影響を楽しみながら、新たな味覚の発見をすることができるはずです。

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